死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

今だから…

 

……………ここのところ

あの飛行故人とその父親に引きずられ、脳みそがチェダーチーズになりそうな私と後輩社長は第三ラボで休息

ノエルちゃんは私の膝の上、アレクちゃんは、長々となってる後輩社長の股間に顔を突っ込んで爆睡中。

 

皆、気を使ってたんだよね……

 

 

通夜と葬儀は倭人では無いキャンディが担当してくれる事になった。

同年代の日本人の女の顔はあまり見たくないはずだから。

 

 

暫くすると

麻理鈴部長が、車いすのサイボーグ梨子ちゃんと、中卒の杏奈ちゃんを連れて通夜の準備と、式の見学をさせにやって来た。

 

「麻理鈴~脳みそ鼻の穴から垂れたから、なんかピアノ弾いてー」

 


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彼女は古いアップライトのベーゼンドルファーを弾いてくれた

 

 


A desert road from vegas to nowhere

ヴェガスからどこかへ向かう

          砂漠の道路


Someplace better than where you’ve been

これまでいたところよりは

         マシなどこかに…

 

Calling You

 

ジムノペディ1~3

アルビノーニ /アダージョ

 

 

無き王女のためのパヴァーヌ………

私が初めての会社主催の演奏会で弾いた曲

 


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彼女の演奏技法で

部屋は、心地よい気だるい空気が取り巻いていく………

 

 

……私も椅子に横になると背中に何かが当たる

 

私を何度も助けでくれた

    “やんちゃな大人の玩具”達。

 

 

「しかしさ……良く生きてるよね…私ら」

『うん、不思議だわ』

 

窮鼠猫を噛むってのが腑に落ちる

 

 

机の上に並べてたら

梨子ちゃんと杏奈ちゃんが入って来て

 

『専務が言ってたやつ?』と。

 

 

『これでヤったって言ってましたよ~』

「ヤってねえよー」

 

ロリポップの奴、余計な事を教えやがって……

 

 

そう言えば“大人の玩具”何年も使ってない

 

玩具を使って、私達が「生きていたい!」って言う命の欲求に素直に生きたあの頃が、一番私らしかったんだな。

 

あの頃…ドラマにあるような「死に場所」など探してはいない。私達はただ「死ぬのが怖かった」んだよね。

 

 

 

「この大人の玩具は私達を助けてくれたんだよ。」

『この“長~いの”が無ければ死んでたか?』

 

 

「死なねーよ!!誰が居ると思ってんだ!」

と麻理鈴が言う。

 

彼女は組合の会議で、私達に頭に来て向かって来たオヤジを合気道で投げ飛ばし……

私達は転がって来たオヤジを、急いで足で何度も踏んだんだっけ

 

 

そんなバカ話を皆で楽しく話す

ふと杏奈ちゃんを見ていて気が付いた

 

 

    そうだ…あれをあげよう!!

 

 

ひかり(後輩社長)に話すと

 

「そうだね!あげようか!!」と………

 

 

        …………ある小さな「折」