死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

美少年 オヤジふたり酒

 

昨日の夜8時頃

後輩社長が徹夜で復元していた「飛び降り死」の遺体が斎場に帰って来た

 

 

様子が気になり、2部長の妹に電話すると「枕経が終わってから一人きりで遺体の横で座ってる」

故人の兄弟や親族は、コロナ騒ぎと死に方の問題で来ない。坊主もかける言葉も無く、バツがわるそうに帰ったそうで

 

この状況は父親が自殺する可能性がある為、「絶対に監視を怠るな」と厳命して他の復元に向かった…………

 

 

……………早朝

斎場に様子を見に行くと、駐車場には専務の役員車と、後輩社長のパナメーラ

 

遺族控え室では

完璧に復元された遺体の横で、お父さんとセバスチャン (後輩社長の運転手さん)が、床下排気口を挟んで………

 


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     宇宙戦艦ヤマトより」

 

 

爆睡していた………

 

彼らの隣には「美少年」の一升瓶

 

 

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専務に寄ると

セバスチャン(運転手さん)は、お父さんがポツンと一人で座っているのがあまりにも可哀想と、

一升瓶を持って座り無言でお父さんにコップを差し出し酒を注いで………

 

 

お互い一切言葉を交わさず

専務の“ぬか漬け”を肴にひたすら呑んだ

 

 

「私達は娘さんと歳も近いから、あまり関わるワケにはいかないから」と、その通りだ

 

 

 

 奥さんが病院から帰って来た

    娘さんに縋り付いて泣いている

 

目的は達成された。

 

 

 

…………徹夜作業で、いつも一緒のシーズの美鈴ちゃんを抱っこしながら


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行き倒れていた後輩社長が起きてきた

 

  「ねえ、ひかり(後輩社長)、

      中身(内蔵)如何したの?」

 

 

『肺から滲出液が止まらないから、身体から内蔵全部切り離し、真空乾燥してビニール袋に入れて中にしまったよ』

 

 

「減った体重の調整は?」

 

『流動パラフィン~。血液の分まであるからドライアイスみたいに棺の中にも相当量あるから、火葬前に取らなきゃ成らない』

 

 

水は沸点が低くお腹の中で破裂するし、炉の温度も不安定になる。

比重が軽く量が増えるけど、流動パラフィンが妥当なんだよね

 

 

『大変だったね…』

「出来ればこんなの御免被る」

 

 

今日はリモート通夜もあるとは言え、

斎場では故人親子3人の寂しい通夜になる

 

それでもあの故人と両親

   普通に近い別れが出来そうだ

 

 

総務局と後輩社長宅の子供達が、お花を手向けにやって来る。

 

 

死に方はともあれ、

最後の最後くらい清々しく送ろうじゃないか

 

 

     それが私達のやり方だから……

 

 

 

                     …………帰去来…