死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

修羅の道を歩み続けていた先生……小学二年の子供の葬儀

 

私達は様々な死者と遺族に関わりを持ち…辛い葬儀も当たり前にある。

 

今日の真夜中、専務が遠方の某大病院から8歳の女の子の遺体を都内の遺族宅に連れて帰ってきた。

 

 

 

順番で私が湯潅と納棺を担当する

 

 

私が訪問すると

女の子は自室のベッドで寝ている。

 

 

何度も入院を繰り返し…彼女は自分のベッドにあまり寝ていない。

 

『だからせめて出棺までは自分のベッドに…』と言われたので

 

専務が抱いて二階のベッドに寝かせたそうだ。

 

 

 

普通の2年生より小さい体には左足が無い…

髪も眉も無い……

 

 

私と両親でお風呂(湯潅)にしてあげませんか?

と提案し、5歳の妹と専務を入れた5人で湯潅をした。

 

 

丈夫に生んで上げれなくてゴメンね……

とお母さんが何度も何度も……あやまる…

 

お父さんは愛情いっぱいの大きな手で彼女の髪を洗り……

 

妹はお姉ちゃんの顔を拭いていた……

 

 

 

湯潅の後、女の子はお母さんに抱かれベッドへ…

 

私は全員を別室に待機させ

 

写真を見ながら痩せた顔をを直し、

真夜中に技術ラボで作成した左足とウィッグと眉を女の子に付けた。

 

 

メイクの終わりを告げにリビングに行ったら

病院で女の子が作っていた工作と絵を届けに院内学級の女の先生と、

都内の小学校の教頭と担任の先生が来ている。

 

 

 

私は枕経の後、先ほどまでこの先生達と住職と懇談した

 

 

院内学級では二つの別れ方がある。

 

全快、寛解で退院していく別れ

死亡退院での別れの二つ。

 

 

でも…全快、寛解で退院していく子供達は3分の1以下で、殆どが死亡退院していく。

 

 

クラスの皆は仲間の子供達が来なくなる理由を聞かない…

暗黙のルールが出来ているみたいで…死んだ事がわかっているから。

 

 

でも一番可哀想なのは

学級の仲間が死んで…死ぬ不安や恐怖を母親や父親に泣きながら話し…

両親から『死なないから大丈夫。泣いてたら治らないよ』と優しく言われ…

 

 

子供が『良い子』でいようと親の為に『作り笑い』をする事。

 

一度作り笑いをすると、二度と『死ぬ事』について話さなくなる。

 

死ぬ不安を抱えながら笑顔で居る……

 

この不自然さをみているのが一番辛いそうだ。

 

確かにウチの子会社にいる『地面に深く根を張った雑草みたいな子供達』を見るのとでは想像もつきはしない。

院内学級の先生もまた修羅を歩んでいた。

 

住職が私達や院内学級の先生になんか偉そうに語っていたが、この先生は救いなど求めてはいない。

 

大体、坊主風情に人を救う力などない。

経や釈迦、宗派開祖式の精神や教えでこの家族を哀しみの深淵から救えるのか!?

ただ寄り添う事が出来るだけ。

 

全ての宗教を信仰する信者や宗教者!!

うぬぼれるんじゃない。

 

しかし…何も言わず、励ます事もせず、説教もしない…

ただ寄り添い話を聴き続ける事こそが、人に元気づける事になる

 

作り笑いを覚えた不自然な子供達には特にね

 

この院内学級の女の先生はそれを知っていて、お母さんの嗚咽を共に泣きながら聴いてあげていた。


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総裁、あとは私に任せて……

と専務が言う。

 

この家族の歩んでゆく道に『折り』をつける事は……

今、全て専務の能力に掛かった……

頑張れ専務、辛く悲しい葬儀になるけど

 

 姉妹ひとりぼっちになった『妹』の為に…