死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

幼き花神…神の子の為に泣け!!

 

脳腫瘍で死んだ女の子が

 

 


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シロツメクサ

フラワークラウンと共に旅立っていった

 

 

もう…涙が溢れて止まらない……

 

 

 

………通夜の斎場に向かう途中、

私は河川敷に車を止め、随行秘書の女の子とタンポポのフラワークラウンを編んだ

 


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あの女の子には、どんな立派なフラワースタンドより、野辺に咲く花こそふさわしいと思ったから

 

 

 

両親との最期の食卓を囲んだ女の子は

 

斎場の…

草原の中のお花畑の中で休む

 

     フェ デ フルール (花の妖精)

 

 

 

 私は、今にも蝶と空を舞いそうな、

     可愛い妖精さんに冠を授けた。

 

 

 

バイオリン、ビオラ、チェロ……

 

………様々な演奏者が

彼女に膝を折り、花を捧げ……順に

 

 

  ヘンデルパッサカリア変奏曲

          を手向けている

 

 

神々しい旋律は

女の子の魂を更に高みへと押し上げていく。

 

 

 

闇に一つのあかりを灯し

私はピアノで、パッサカリアを捧げながら…

 

黄泉に向かう経夢の中へ

 

 

ノエルちゃんは譜面台にゆったり座り

  薄緑の瞳を強く光らせながら…闇に溶けた

 

 

 

私はファントムのモニターで通夜に参加する

 

通夜には

お母さんと院内学級の担任の他に、我が社の社員が大勢来ている

 

 

みんな女の子とお母さんを、ほっては置けないのだ

 

 

 

専務は語り………

 

……弦楽団は、女の子とその家族の為だけに

 

 

     ビバルディ「四季」

         全章を捧げた。

 

 

 

深夜………私は斎場へ

すると…お母さんの母親(祖母)が斎場に居た。

 

娘の為に上京した

 

 

すがり付く娘を

「エラかったね、エラかったね……」と、ただ抱きとめる

 

 

 

ノエルちゃんが私を呼ぶ

女の子が少し照れくさそうに笑って見えた……

 

 

 

………………今日の早朝

お母さんとお婆ちゃんは、女の子に最期のお弁当を作っている………………

 

 

 

……………我が社の女の子達は

総出で大きく綺麗に咲いたシロツメクサで、フラワークラウンとブレスレットを作り、女の子に戴冠する

 

 

       …………花神

 

 

 

この子は花神だ…幼い花神

 

世の全てのものに神が宿るなら、幼い花神の為に泣け!!

 

   森羅万象は、我が『花神』の為に泣け!!

 

 

専務は森羅万象に訴える

 

 

  今まで見た事が無い…

   『鬼神』の顔で涙を流し訴えた

 

 

 

……………花神は『理 (ことわり)』の中へと帰って行く

 

 

私は忘れない

ホンの一瞬…私の前に顕現した『花神』の事を

 

 

  『理』を流れる時の中で

     精一杯輝いた花神を忘れない

 

 

さよなら…

小さな可愛い神様