「元の姿に戻せますよ(^^)/」と言って復元代金を貰う手前、完璧に復元するのは当たり前の事。
先程1部長が連れて帰った、空を飛んだ抗不安薬の代謝した匂いがするお母さん
警察で旦那が身元の確認をしたけど、このままでは2人の子供達とは会わせられない
で、私がちぎれた体を並べていたら
「右手の小指のさき」がどこにも無いんだよ体にも刺さっていないし、納体袋にも無い。
技術局に作らせるか…?
とも思ったけどやめた
管轄の強行犯係に電話して
「散歩中の親子が見つけたらヤバいかも?」
まあ…私が思ったのは
指がカラスに見つかって食べられてしまうって事なんだよ
可哀想じゃん……
私も歳をとるにつれて考え方も変わる
もちろん空を飛んだり、ぶら下がったりはダメに決まってるけど
でもさ、既にその行動を終えた者に何を言っても届はしない。
だからね、
そんな人々が、自分で自分を終わらせる事で、全てが許され、背負い続けた重荷を降ろせたのなら
せめて私一人は
「お疲れさん…」ってその人々の全てを肯定しているんだよ
夜明け前
雨水を排水する側溝で小指が見つかったそうで、1部長が氷付けにして持って来た
「良かったね、見つかってヾ(^^ )」
私は
白装束に着替えたお母さんに小指を返し
「長かった人生お疲れさま」
お母さんと別れのインスタントコーヒーを飲んだ……
…………桃子の日誌…