死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

死化粧

 

 「もう少し明るいシャドーを入れて……」

 

さっきまでグリーフケアボランティアの女の子達と、彼女たちが訪問していた婆ちゃんに最期の化粧を施行した。

 

 

早朝3時過ぎ

彼女達の一人に婆ちゃんから多分ヘルプの無言電話がかかって来た……

彼女達はパニックになってしまい、遅れて私達に連絡が入る

 

警察に連絡し……

……私も自宅に行ったけどまだ誰も来てない

 

引き戸の玄関を破ろうと、車から掛矢(かけや 土木用の槌)を持ってきたら警察と彼女達がやって来た。

 

彼女達が預かってる鍵で引き戸を開けアレクちゃんと私が突入……まだ息がある。

 

 

救急車で病院に運んだけど結局ダメ

 

 脳動脈瘤破裂に伴うくも膜下出血だった

 

 

朝一番で三重県に住んでる息子夫婦が斎場に到着。(自宅での三密回避の為)

 

ボランティアの彼女達が謝罪しようとしたので、腕を掴んで後ろに下げ、全ての時系列を正直に話し

 

「発見が遅れて済みません。もっと発見が早けれは助かったかもしれません。申し訳ありませんでした……」と私が謝罪した。

 

 

当社に関わる全ての事象の責任は私にあり、責任を取るのは私の義務だから………

 

「…………ありがとうね、ありがとう」そう遺族の息子夫婦は言ってくれた…………

 

 

 

……………遺族に一度、場を外してもらい

私は婆ちゃんの苦悶の表情を整え、ボランティアの二人を呼んで

「貴女達が婆ちゃんに最期の化粧をしてあげなさい」と………

 

 

  彼女達は化粧をしながら

      また涙を流している

 

「しっかりしなさい!!」私は喝を入れた

 

 

今………泣いてるボランティアの二人をアレクちゃんが慰めくれている。

 

彼女達は諸行無常の風を体感した

前日、総務局の糠漬けを持って訪問し…楽しく過ごしたのに、今朝には“今生の別れ”だ

 

 

今………泣いてるボランティアの二人を、アレクちゃんや愛ちゃんが慰めくれている。

 

 

いっぱい泣いたらまた立ち上がりなさい

生きている者は歩き続けるしか無いんだよ…

 

 

そして………

 

 可愛がってくれた婆ちゃんを

  私達の手で盛大に送ろうじゃないか

 


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婆ちゃん…

二人を可愛がってくれて有難う………

 

 

     さようなら、婆ちゃん