死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

ブルー スカイ ブルー

 

先程…

 

新生デスメタルバンド

マジックマッシュルーム」の演奏で、

 

 

 

 80歳のばあちゃんが

  清々しく旅だって逝った

 

 

 

 この婆ちゃんと、喪主の爺ちゃん……

     駆け落ちの内縁関係の夫婦

 

子供はいない

 

 

この婆ちゃん達を仲介した銀座のママ曰く

 

婆ちゃんは、駆け落ちの後のほとぼりが冷めた頃、そもそもの旦那に住みかがバレない様に何度も住民票の住所を変えて……

喪主の爺ちゃんは、小さなBARを経営しながら二人ひっそり隠れる様に暮らした

 

 

会葬者もそれを知らず、夫婦だと思っている

 

故人の略歴も、

嘘に成らない様に上手く私が作った

 

 

この様な離婚が成立していない内縁関係の人の死は、後日大揉めになる事がある

お母さん弁護士の勧めで「探偵」を使い、そもそもの夫の事を徹底的に調べたら

 

既に「元旦那が勝手に離婚届を提出」し、40年程前に離婚が成立………

 

 

それを通夜の前々日に知った爺ちゃんは……崩れ落ちる様に泣いた

 

      婆ちゃんの手を握りながら泣いたんだ

 

 

探偵のおじさんも兄ちゃんも泣いたんだよ

その場に居た全ての者がいっぱい泣いたんだ

 

 

それは祝福の涙

 

爺ちゃんと婆ちゃんの二人で歩んだ40年間の人生が、認められ…許された瞬間だった

 

 

 

……………告別式…

  抜ける様な青空の日………

 

 

送り出した曲は、

  西城秀樹の「ブルースカイブルー」

 

あのひとの指にからんでいた

ゴールドの指輪をひきぬき

「このぼくとともに歩いて」と無茶をいったあの日

 

おそれなどまるで感じないで

はげしさが愛と信じた

立ちどまることも許さずに傷をつけたあの日

 

 

 

この曲の演奏は

通夜終了後の深夜に決まった。

 

この爺ちゃんにピッタリの曲

 

 

振り向けばあの時の

目にしみる空の青さ思う

悲しみの旅立ちにまぶし過ぎた空思い出した

 

爺ちゃん……

あんたは婆ちゃんの人生を変えた

 

確実に婆ちゃんを幸せにしたんだ

 

 

でも…まだまだ婆ちゃんの所へは行けない。

 

人の人生を変えてしまった責任の対価は大きい。

婆ちゃんが歩めなかったお天道様の下を大手を振って歩め!!

 


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青空よ遠い人に伝えてさよならと

青空よ心を伝えてよ

 

婆ちゃん

爺ちゃんの気持ち…伝わったかい?

 

 

後悔してないでしょ

 心から幸せだったでしょ

 

 

さようなら婆ちゃん……

 

 

また人に生まれるんだ

また爺ちゃんと巡り会うんだよ

 

 

 

そして…青空の元 

正々堂々、二人で幸せいっぱいに生きるんだ

 

 

さようなら婆ちゃん…

 

     ………さようなら

 

 

 

     …………………何処までも続く青空