雨の中、細い路地の奥に続く凄く長~い行列…
70メートル近くあったな
多分、自宅葬の焼香会葬者の新記録だ
爺ちゃんは90歳の大往生で人生の幕を下ろす
親子三代が暮らした古いこの家は、葬儀終了後に取り壊すから…遺族の要望で自宅葬
私は以前から、人生の価値は弔問に来る会葬者の数で決まると何度も書いた。
結婚式と違い、葬式は来るも来ないも自由。だから嫌われ者の葬儀は…驚く程、一般会葬者が来ない
爺ちゃん…社会福祉もやってたから、弔問の列には50~60歳くらいのガラが悪そうな連中も多い。
そして……死んでる爺ちゃんを見つけ、警察と消防に連絡したのも彼らだ
そのガラの悪いオヤジ達がさ…
泣いているんだよ
戦前からある細い路地…………
私が急きょ列が並んでる通りの全ての住人に「迷惑掛けて済みません」と謝りに回ると、会葬者の列を悪く言う人は誰一人いない
みんな爺ちゃんを敬愛しているんだよね
ラボに戻ると
キャンディがアコーディオンで「上を向いてあるこう」を練習している。
その葬儀担当の女の子から
「出棺の時、霊柩車までの葬列の先頭に立って、“上を向いてあるこう”と“蛍の光”を演奏しながら歩いて」と頼まれたそうだ。
なんか遺族とガラの悪いおじさん達が、担当の女の子に言ってた様な気がする様な………
「長いよ~霊柩車を駐める通りまで50メートル以上はあるからね。上手く間を持たせないとならん」
なんかキャンディ張り切り出す (-_-;)
上を向いてあるこうを、“ボギー大佐”に変更する様に指示した
なんと言うかあの爺ちゃん
実はこんな感じの爺ちゃん…
だから、暗くなりそうな“上を向いてあるこう”よりも、“猿、ゴリラ、チンパンジー~”の方が似合うだろう
最期の夜くらいは、賑やかに…
賑やかな葬儀は、深い悲しみの裏返し
爺ちゃん、
あんたの人生は素晴らしかった
さようなら……さようなら亀仙人(*^o^*)