死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

大空を一人旅する遺体

 

今、私の前で40代の旦那が

     冷たくなって寝てる(o_ _)o

 

 

冷たくなった場所はヨーロッパのある国

 

死因は動脈乖離

現地のエンバーマが苦痛に満ち満ちた顔を直したみたいだけど、また元に戻っている

 

この激痛に歪みきった顔は、肺疾患の苦しみとは明らかに違う。

 

 

私は“死の安らぎ”に満ちた表情に戻す………

これは「死化粧師(しにけわいし)で納棺師」の私の仕事だ。

 

 

因みに現地に住んでる家族は、誰も来ない。

 

コロナ騒ぎで、現地に戻れるのは約一ヶ月後

仕事がある奥さんと子供達は、学校もあって現地宅を長い間空けるわけにはいかない

 

 

故に、現地の提携葬儀社と当社連絡所の女の子達と奥さんの三者で話し合い、帰国の飛行機には一人で乗って貰った。

しかも旦那には申し訳ないけど、便の都合上、貨物機だ (´θ`llll)

 


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まあ、それでも旦那専用のコンテナだ

 


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     個室なんだから勘弁して頂きたい

 

 

 

こんな時、現地で火葬をし、遺骨は海外の自宅安置で、帰国後に法要と先祖の墓などに埋葬する…なんて方法も考えられるけど

 

問題は現地の火葬方法。

 

 

日本では、言うなれば遺体をフライパンの上で焼く事で、故人の遺骨のみが残るけど

海外の場合は、目の大きな焼肉の網で焼く感じで、焼けた骨は下に落ちて、他人の骨と混ざってしまう方式の火葬炉が多いのと、さらに粉骨にされてしまったり……

 

故に日本人の場合、現地火葬ではなく、日本に体ごと運んで、葬儀、火葬となる。

 

 

しかし、死んで帰国した旦那はリモート葬儀の後に火葬されるが、そのまま日本で埋葬とは成らない。

 

 

日本に居る義理、血縁のある両親は高齢で、老健施設に入っていて、感染予防の為に外出も出来ず…

旦那も奥さんも一人っ子の為に日本で遺骨の引き取り人が居ない。

 


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だから……

遺骨の旦那は奥さんの居るヨーロッパへ、また大空を一人旅して帰る  Σ(・ω・ノ)ノ

 

 

海外生活が長かった旦那は

死んでも三段階スライド方式で外国で暮らす

 

 

これもまた「縁 (えにし)」なんだ。

 

大丈夫!遺骨になっても、帰りの飛行機でも混載コンテナでは無くて専用コンテナの個室

 

 

    快適な大人の一人旅だから…

 

 

        ……………数奇な「縁」……