死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

おい“ 将門の首 ”!!赤ちゃんに力を貸しておくれ

 

今朝の7時、出勤途中

アメリカ連絡所の女の子から電話が来て…

 

「現地時間の夕方前の便で新生児2人の遺体だけを送るから対処宜しく」と

 

                       『なんだそれ!?』

 

仕事でアメリカに赴任している邦人夫妻の奥さんが不妊治療の末、現地で三つ子を早産したのだけど、産まれて間もなく2人が身体の障害で虹の橋を渡ってしまい………

遺族夫婦はアメリカで火葬し埋葬しようと思ったけど、義理の母の願いで日本で埋葬する事になったそうだ

 

その婆ちゃんは御年80歳。

息子への国際電話の掛け方も分からず、英語も判らないので、「もし違うアメリカ人が電話に出たら」…と不安で、息子夫妻に何も言えず、それを自分の知り合いに話したらウチを紹介されたとの事。

 

婆ちゃんは虹の橋を渡った孫と会いたいし、遺族夫婦はいずれ帰国するからアメリカに置き去りは可哀想、日本で埋葬したかったんだよ。

 

それに遺体と遺骨に拘る日本人と違い、アメリカは土葬が主流、だから新生児を火葬すると遺骨は残らないか、他の遺体の遺骨と混ざる可能性が高いからね…

だから専務が息子夫妻に国際電話を掛けて婆ちゃんに代わって「エンバミングを終わらせ次第、日本に搬送」と夫妻と現地葬儀社との話をまとめた

 

まあ……専務の話を聞くと婆ちゃんの自宅は関東の山の中で風習も煩くて面倒。

そのまま遺体が帰って来ないと周りで何を言われるか判らないし、婆ちゃんを話の外にするのは可哀想

それに遺族夫婦には残った“もう一人の赤ちゃん”がNICUに入りっ放し故に、アメリカから離れるワケにはいかないからね……

 

    だから私達が何とかするの


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…….…アメリカ連絡所の女の子…

NICUの前を通った時、保育器に貼ってあった紫の蝶のステッカーを初めて見たそうだ


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       (私も画像でしか見た事が無い紫の蝶)

 

私の車列は“将門の首塚”に立ち寄り

「保育器の赤ちゃんが私達を含めた葬儀社の世話になる事が無い様、赤ちゃんに力を貸しておくれ!!」と頭を下げた……

 

簡単に虹の橋を渡っては成らないよ         

      「生き抜け!!」

 

          …………桃子の日誌…