死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

「人」だから……

 

昨日……

 

 

お父さんが午前中、暫く休む仕事の引き継ぎに会社に行っている時間……

 

 

バイトの女の子と総務局の社員が、お母さんを心療内科へ連れて行き

 

お母さん顧問弁護士が2人の保育園に出向き、事情の詳細な説明と子供達について注意する事を聞いてきた。

やっぱり犬アレルギー

 

 

 

私達がここまでやるのは

 

以前、似たような事情のお母さんが、子供を連れて斎場から居なくなって……

 

警官が無事に発見しけたけど

発見出来ず、思い詰め過ぎて無理心中などされたら、たまったもんじゃない

 

それに、遺族の行動まで私達に責任は無いけれど、

私達が24時間監視し関わる事で、遺族の安全と、より良い告別をして貰う方が良いと思うからだ

 

 

 

我がニャンコ達は

見事に…お子ちゃま2人と良く遊んでくれたそうで、私が様子を見に行った時には、子供達と布団でお昼寝していた。

 

 

お父さんとお母さんが戻ってきて

枕経が始まる

 

ニャンコ達は襖の隅から「何だろう」と見ていたけど、

 

やがて1ニャンコが傍に行って

膝に下の女の子を乗せだお母さんの横に座る…

ただ、横にくっついて座る

 

 

哀しみの深淵に居るお母さんには

ニャンコ達も、ただ横で寄り添う事しか出来ない

 

ノエルちゃんもバックから顔を出して「抱っこ」してと……

ノエちゃんも不安なのだ

 

 

子供だって命数を使い切れば死んでしまう

 

病気なら心の準備をする時間が与えられるが、事故や今回の様な突然死だと、一気に奈落の底に突き落とされる

 

 

枕経が終わり…

住職が、法話を語ると思ったら

 

 

  お父さんの手を握り…泣いた

      弘法大師空海」の様に……

 

哀しい哉(かな) 哀しい哉(かな)

哀れが中の哀れなり

 

悲しい哉 悲しい哉

悲しみが中の悲しみなり

 

哀しい哉 哀しい哉 

復(また)哀しい哉

悲しい哉 悲しい哉 重ねて悲しい哉

 

亡弟子智泉が為の達嚫(たっしん)の文

 

大声で

赤ちゃんと両親、姉妹の為に…泣いた

 

 

振り返ると

いつの間にか、バイトの女の子が大勢来ていて…泣いていた

 

       声を出して泣いていた…

 

 

 

ここ居た者全員

自分が可哀想で泣いているわけじゃ無い。

 

     誰かの為に声を上げて泣いている

 

 

「別れの曲」~「悲愴」のピアノが聞こえる

 

奥を見ると…

麻理鈴が大粒の泪を流しながら弾いている…

 

 

 

………麻理鈴のピアノが終わる

 

 

ノエルちゃんが周りの気を引く様に…

喋る様に啼いてお母さんの所でゴロンとなる…

 

 

お母さんに少し笑みが浮かぶ

「ママ、お腹空いた」と下の子が言う……

 

「お腹空いたね…」と微笑ながらお母さんが答えた

 

いつの間にか居たキャンディが

「奥にお菓子とお茶の用意をしています」と皆を呼ぶ

 

 

奥を見ると、ウチの和菓子屋の女の子が「番重(ばんじゅう)」を持ったまま泣いていた……

 

 

悟りを開けば この世の悲しみ驚きは

すべて迷いが生み出す幻にすぎないことはわかっています

 

それでも あなたとの別れには 涙を流さずにはいられません

 


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そう……

 

  これが「人」と云うもの

      「生きる」と云う事……

 

 

哀しければ「悲しい」気持ちを解き放つからこそ、哀しみを乗り越えて行く…………

 

 

    

      なあ..そうだろ……住職