死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

自分の都合で命を奪うという事……サナギの命

 

川崎の事件後…

「死にたいなら一人で死ぬべき」

 

と…世間では識者気取りのコメンテーターやライターが、様々な議論の自慰行為をして気持ち良くなっている。

 

まるで、カメラを始めて写真雑誌を買う…

ギターを始めてギター雑誌を買う…

スノーボードを始めて雑誌を買う……

 

雑誌を買う事で自分の腕前が上がった気になる馬鹿と同じだ。

 

 

論じるなら、身近かなものから変えてみろ

 

…如何に自分が口だけの無能者かが分かるから…

 

 

そして…自分の無能を悲観して死ぬのなら

 

山の中で絶対に死体が見つからない様に…

是非一人で死んで頂きたい……

 

 

大体、論じなければ為らない事は、引きこもり等になる精神的原因と

 

その原因を持った

『自殺するなら他人を大勢殺してから自殺する』

と言ってる人間が具体的な行動を起こす前に

 

保護するなり逮捕監禁するなり、粛清するなどの具体的方法を議論しなければならないのではないか………

 

これらの評論家は、危険にさらされいる人間の気持ちなど考えてはいない

 

 

 

…………昨日の夕方…

 

総務局では『蚕』の『繭』からの糸取りを…

後輩社長が、子供達全員とそのお母さん社員を集めて行った。

 

 

 

皆さん…繭の中には何が居る…?

ご存じの様に蚕の生きている『サナギ』

 

 

最初に一令の蚕を貰って来たので

既に繭玉を作っている。


f:id:however-down:20190604221012j:image

 

いきなりでは糸口や糸取りは無理なので、

この間入った赤門の女の子が養蚕家のところに行って、茹でて糸を取れる状態の繭玉を買って来た。

 

私は監視カメラで様子を見守る………

 

 

 

加熱はIHヒーター17台……

一度に入れたらブレーカーが落ちそうなので、高圧電源車を持ってきて変圧……

 

お母さん社員も子供達に一人一人に付いて

繭玉を沈めてお湯を変えながら…ほつれた糸から糸口を見つける……

 

 

取り敢えず、一人繭玉三つからまとめて糸を引き、

少し縒りながら手で糸巻きに巻いていく…

 

 

 

    『あっ!?!』って声が聞こえた

 


f:id:however-down:20190604234101j:image

 

繭玉の中にはカイコ蛾のサナギがいる……

 

『何で居るの?』

『死んでるの…?』

 

 

『絹糸が欲しいからと、みんなが繭玉の中で生きているサナギを茹でて殺したの』

 

と後輩社長が話している。

 

 

 

生きている者全ては、他の生き物の命に依存し、生存しているのは『公理』

 

 

 

以前、記事にも書いたが…

 

 

つまり……自身が生き残る為に他を殺し続ける。

 

食べ物を得る為に殺す。

戦争で生き残る為に殺す。

殺人鬼に殺される前に殺す。

 

人が薬を作り生き残る為に

マウス、ラット、ウサギ、犬、猿、牛…を殺す

 

カイコ蛾の幼虫も、桑の葉を食べ物どして犠牲にしている。

 

 

 

植物も死んだ動物からミネラルを得る……

 

行為の動機の良い悪いは関係なく

自らの生存の為に殺し続ける。

 

 

では…養蚕はどうだろうか

 

 

後輩社長が話している………

 

養蚕は古代に偶々、カイコ蛾の作る繭から美しい価値の高い糸が取れる事を発見した中国人が、

飼育しやすい個体を人が選んで飼育し(人為淘汰)現代まで続いている

 

 

別に絹糸が無くても、麻や綿で糸を作っても困りはしない。

 

 

だけど…

人の欲望の為に養蚕は生まれ

カイコ蛾は人の欲望の為に犠牲になり続ける

 

つまり、自分達人間の都合で生まれ殺されて行くのがカイコ蛾……

 

 

僧侶の袈裟までシルクが使われていて、殆どの僧侶はカイコ蛾の犠牲があっての袈裟と言う事など頭にない。

 

 

…………………

『あなたたちが養蚕農家の家にお礼を言いに行ったとき………

 

蚕の事を「お蚕さま」って呼んでいたのが不思議だったってレポートに書いたでしょ…

 

あれは…

自分達の都合でカイコを育て、自分達の都合で殺す事で……

お金を稼ぎ生活している

だから「お蚕さま」って呼んで感謝を伝えているんだよ。

 

それに…カイコは糸を取る為に人が作った…

 

繭を取らないと無駄死にになってしまう。

だから、私達も命を頂いて絹糸を造らなければならないんだよ…

 

さあ「お蚕さま」から糸を頂くよ』

 

と言う……

 

さっきまでワイワイやっていたのに、

誰も騒がず真剣に糸取りをしている………

 

 

この子誰はこの日初めて『命を頂く』って事を体感を持って理解出来た様だった

 

 

 

………繭から全部糸を取り…

 

自分達が殺したサナギを土に埋めて…

泣きながら手を合わしたそうだ。

 

 

でも…子供達はもう一度命に向き合う事になる。


f:id:however-down:20190605071627j:image

 

カイコ蛾の親の死に方だ……

 

命の重さを嫌でも思い知る……

 

      頑張れ…私達の子供達

 

 

              ………カイコの命