無常の風は
万物、万人に公平に吹きつける
働き盛りのお母さんにも…公平だ
ある姉妹のお母さんの直葬で間もなく出棺……
自宅は古いアパートの2階で…当社グループの遺体ホテルの3畳部屋に安置。
姉妹は火葬の日まで交代でお母さんのそばに付いて過ごしていた。
そして昨日…吹き抜け天井の四畳半の極小式場から暖かそうな淡い光が見えた。
覗き見ると……
小さなLEDキャンドルが大量に並べられた祭壇が作られていた。
……ピアノの練習を装い2部長が弾いている…
Somebody to Love ~
Love of my life……が聞こえてくる
後で亡くなったお母さんが好きな曲だと2部長が言っていた。
その中で家族三人水入らずで最後の晩ごはん……
部屋から明るい笑い声が聞こえてくる
棺の中のお母さんの顔も優しく照らされている様に見えた……
あの…柔らかな…優しい光の揺らぎの中で…
彼女達は『愛すべき人』を見つけられたのだろうか?
人それぞれの送り方がある……