死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

音楽は言葉を越える…

 

「ちょい!ちゃんと元に戻すんでしょ?」

『大丈夫~総裁達4人が煩いので終わったら元に戻してねと言われてるから(^^)/』

 

何かさー

第一ラボ斎場内の魔改造グランドピアノをウチのお母さん調律師が、普通~のグラウンドピアノに戻してる (・・;)

嗚呼~なんと痛々しいピアノちゃん(T^T)

 

これ、日曜日に施行する41歳のパパの告別式に小学五年生の娘さんが弾くための再調律。

施行主任の女の子社員と総号令の専務、喪主である奥さんと娘さんとご子息………と合議なって、早い話しこの動画みたいにするって事なんだよね

 

 

このCMのコピーは

「音楽は言葉を越える」って事。

コレは正しい見解だけど、まあ歌なら下手でも何とかその様になる。でも楽器ってのはかなり無理があるのよ

演奏しようとしてる曲は、動画の「カノン」


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彼女はある程度ピアノは弾けるし、カノンも一応通して弾けるけど難点も多く…

これが幼稚園児や小学1年生なら感動って話になるけど、小学校5年生では程遠い

 

だから今も、久しぶりにメトロノームを出して、ウチのビアノの女の子が付きっ切りでレッスンしているけど、まだまだイマイチ………

それでも「父親」の為って頑張ってる。

 

 

……………夜遅く通夜の会葬者が帰った頃、なんか私は閃いて遺体復元の合間に2.3曲、再調律の済んだグラウンドビアノて弾いた………

う~ん…タッチが軽い分、音が小さい気もするが、まあこんなモンだろう( -_-)o

 

「もも~後ろ!」ってノエルちゃんが言う

ピアノに映った後ろには、二組の遺族達が十数人と、カノンの女の子が「何だろう…?」って顔しながらソファに座って聴いていてくれてる。

私は最後に「紅の豚」から2曲を弾いた。

 

この曲は私にノスタルジアを呼び起こさせる

私はサイボアに乗って夕暮れ前のアドリア海をノエルちゃんとアレクちゃんを乗せてどこまでも飛んで行く……


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…………演奏が終わり

 

ピアノステージから降りると

カノンの女の子がハンカチ持ってぐしゃぐしゃになって泣いていた。

 

「どう?またピアノを始めたくなったでしょ?」

「大丈夫、必ず上手く弾けるからね」と言うと何度も頷いた

 

これが「音楽が言葉を越える」って事。

「大丈夫、お父さんの娘さんは皆の前できっちり弾き切るから」

 

私はピアノの横に立っている少し透けた者に言うと、微笑んで溶けた………

 

          …………桃子の日誌…