死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

ピアニスト精神論

 

「桃さ~ん!」

「調律したピアノ、ビブラートかからない」


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『なんだとコラ!!!!』

『いつもの調律師の姉ちゃんは!?』

 

「ワクチンの副反応で休んでるって~」

 

 

『………』

『そこに居るはずの調律師に、絶対他のピアノを触らせるな!!』

 

『もう少しで着くよ』

 

 

昨日、魔調律のピアノは再調律の日、負けず嫌いの学生ピアニストが立会い、試し弾きして気付いた

 

 

読者の皆さんもピアノでビブラートと思う方もいるだろうけど、

ウチの会社の全てのピアノは、ペダルの踏み加減でビブラートが掛かる様に調律してある

 

「ピアノでビブラート?」

  なんて言ってるこの調律師はダメ

 

 

斎場に着くと

何かモサ~っとしたおっちゃん調律師で、「弾く方も、聞く方も素人だから、ビブラート分からないよ」って態度と口ぶり

 

ムカムカして…臭いオヤジをサッサと帰し…

 

 

楽器屋に


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「ウチにゴミ調律師を寄こしやがって!!

もうお前んとこから二度と楽器を買わないし、取引先にも今日の出来事を話すからな!!」と電話してやったら………

 

社長とピアノの責任者が飛んできて


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勝手に土下座して謝ったが、

誤って済むなら壁に掛けてある「ゲバ棒」はいらんのだよ。

 

その場に居た皆で、ゲバ棒を振り回しながら2時間以上、説教した

 

 

大体……

電子ピアノやキーボードと違い、

本物のピアノは呼吸もしていて、生きている事が分かっていない

私達にとってピアノは「神」なんだ

 

 

ピアノの前に立つ時には人として、鍵盤に触れたなら神として聴衆に向かう。

 

そしてピアノそのものに心身が合一すると、個々の神々(ピアノ)との対話が出来る

 

 

ピアノのビブラートなどの技法とは、一方的に与え、一方的に奪う、荒ぶるピアノとの対話の手段であり

神を饗待し、褒め、時には貶し、悲しみの深淵にいる弱き遺族の思いを会葬者に伝え

また、そのピアノの意思を正確に知るために、調律が行われるのだと。

 

まあ、他のピアノプレーヤーがどんな事を思っているのかは知らないけど、私と麻理鈴はこんな風に思って弾いてるんだよね。

 

 

……………今朝、副反応から回復した女の子調理師から電話がきて直ぐ調律に来てくれるそうだ。

 

私達を若いねーちゃんだと舐めてるあのオヤジを、私達は調理師だと絶対に認めない。

 

 

ピアノ上手く弾けない方………

ピアノを神そのものと思っているのかい?

 

楽器はね

貴方の姿そのものを顕現しているんだ

 

上手い理由も下手な理由も貴方にあるのです

 

 

        ………………桃子の日誌……