死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

ファントム レイス

 

深い夕闇が覆う……

ビルの深い谷をフライングレディーは飛ぶ



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過ぎて行く人々は闇に溶け……

 

出会いも別れも、喜びも悲しみも闇に溶け…やがて時すらも止まる

 

 

表情を永遠に捨ててしまった女がいる

   ビルのシャッター…路地の階段の下に

 

 

私が知ってる子……

 ここで死んだんだよね

 

イカ臭い女の子の死体 - 死体を愛する小娘社長の日記

 

 

ドライバーは車を止め

秘書がドアを開ける

 

 

私は側に行き手を差し伸べた…

 

 

 

彼女は心を打ち明けたら

涙をいっぱい浮かべて

 

「思い出す」って言うんだ

 忘れようとしていた恋人の事を………

 

 

 

毎晩、灯りから身を隠して

 時を感じない…長く終わりのない夜に居る

 

毎晩、灯りから身を隠して

心を偽る事が出来る長く終わりのない夜に…

 

 

 

貴女の居場所は

  ここじゃあ無いよ……

 

 

時が止まり

 

思い出がすべて消えて

   現実が何もないところ

 

貴女自身の

すべてが許され甘く溶ける……柔らかなところ

 

 

 

彼女は私の手をつかんで

立ち上がり……

 

 

 ノエルちゃんが道を示したら

     フウッと…ビルの闇に溶けた

 

 

さようなら 

また人に生まれておいで…………

 

 

 


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振り返ると

アレクちゃんは窓から体を乗り出し

 

秘書の女の子と運転手さんが白手袋を付けてドアを開け、

微笑みならから私を招き入れてくれた

 


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私も帰ろう

 

    すべてが許され…

      甘く溶けるところへ