死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

赤い手袋

 

先日、空を飛んだ…

私達の所にやってきたお姉さんは………

 

    「赤い手袋」を穿いていた

 

今朝、赤い手袋のお姉さんは友人達と私達に見送られ虹の橋を渡る為に出発して行った

 

 

空を飛んだキャバ嬢は、仕事も無く友人宅を泊まり歩き、携帯電話も友人名義で本当の身元が判らない

 

でも日本の警察は優秀

行旅死亡人として処理される寸前にスレ過ぎの母親を見つけ……

..…….この様なスレ過ぎの母親の場合、身元確認の後この女の子も多分に漏れず、変な男と一緒に来た母親に捨てられた。

 

このマル走の男の子の様にね

 

すると希実ちゃんが

 

  「なぜ引き取らないのですか!!?」と

泣きながら怒った

 

男が凄みに来たから

 

私が希実ちゃん前に立ちはだかり

“なぜ引き取らないかと聞いているんですよ”

 

更に畳みかける様にお母さん顧問弁護士が逆に恫喝したけど引き取るわけが無く、マル走同様に直葬代金を叩きつけて帰って行った

 

 

しかしびっくりしたよ。

あの希実ちゃんが他人の…しかも今まで見下していた次元に住む女の子の為に烈火の如く怒ったんだ。

 

自治体職員は青くなり

追加の事情聴取に呼ばれていたキャバ嬢達に私は「姐御」と呼ばれた

 

 

葬儀に宗教者は居ない、いや呼んでない

私の随行秘書の女の子の弾く“別れの曲”で、参列したキャバ嬢の友人達と棺に献花…

 

すると希実ちゃんが

血まみれだった「赤い手袋」を自ら手洗いして…指の骨が折れた手に履かせた。


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誰かの為に

この女の子の為に、女の子が寒くない様にって履かせてあげたんだ

 

希実ちゃんを変えたのは

車に引かれたニャンコの様だ……

 

 

「この女の子は子供の頃一緒に過ごしていた野良猫と虹の橋を渡る。

虹の橋のたもとで待っているニャンコは必ずこの女の子を待っている。だからニャンコのお土産を持たせてあげよう。人だけが家族じゃ無い」そう私は弔辞をしめた

 

麻理鈴が、火葬場で食べるランチジャーのお弁当をキャバ嬢達の分まで持ってきて、何か悲しいけど笑顔で出棺した。

 

 

よかったね、

家族が居なくても貴女を大切にしてくれている仲間達がいる

 

貴女は…

ニャンコと一緒に、全てが許され甘く溶ける暖かい場所へ行くんだよ。

 

 

短い人生だったけど……本当にご苦労さま

 

          …………桃子の日誌…

 

追記

先程、今年最後の霊柩車が火葬場に着いた。

間もなく今年の業務も終わる……