ロリポップ常務が
最近入ったバイト女子達1グループの陰口……
『総裁が凄いケチ』とは何だ!!
と真っ赤になって怒ってくれたそうだ。
私がケチと言われるゆえんは
『私が専務のお弁当や晩ごはんばかり食べて、社員を高級店に連れて行ってくれ無い』
からだそうで………
確かに私は最近連れて行って無い。
私はノエルちゃんと何時も一緒に居たいし…
……専務は休みの日以外、
早起きをして私達や社員の為…
検診の結果をもとに管理栄養士と相談して、それぞれの体調を気遣ったおかずを、数十人分も作ってくれる。
ノエルちゃんのおかずも一緒に……
彼女は運転手のおじちゃんの奥さんに習いながら一生懸命……少しでも美味しくと
いつもホカホカのランチジャーで……
私は本当に美味しい専務のお弁当が大好き
このお弁当には時々、小っちゃな手紙が入ってる。
お子ちゃま達が書いてくれた手紙。
『このタコさん(ウィンナー)私が作ったんだよ(^^)v』
『梅干しは私が入れたよ(^^)/』
『喧嘩しないでヾ(^^ )』
『ももネー大好き(*^^*)頑張って』…………
運転手のおじちゃんにも
『今日の晩ごはんは冷や奴だから安全運転で局に帰ってきてね!』
随行秘書の女の子には
『ももネーとおじちゃん、何食べたいか聞いて!』とメモが入っていたりで
秘書の女の子は自分は、皆にあてにされていて必要な存在だと気付き……
運転手のおじちゃんは
嬉しくて時々…涙ぐむ
私もジーンと来る………
そんな専務と子供達の愛情いっぱいのお弁当は
私にひと時の安らぎを与えてくれる
それは兵士が後方で過ごす一時と似て…
安らぎは…
この子供達と専務を守ろうとする気力と闘志を湧かせてくれる
西条 八十の詩に
戦いやみて月出でぬ
敵ははるかに退きぬ
露は優しく秋草に鮮血の夢、いまいづこ
今日1日の前線を
無言に守り導きし、
名誉ある軍旗、
厳かに組まれし銃に憩うなり
既に、私達が血を流して牙を剥いて戦ったフィールドに敵は存在はしない……
無言に守り導きし、
名誉ある軍旗……厳かに組まれし銃に憩うなり
これは
私が今ここに立つ為に自ら殺した…
そう、ラスコーリニコフが殺した老婆の墓標…
でも……得たものは
限りなく透き通った数多くの心
それを守る為『歩哨』に立ち続けるのだ
これからもずーっと……
…………魔道の先