死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

赤い死体……

 

昨日の昼過ぎ

自治体から火葬の随意契約

 

指定の警察署に迎えに行くと赤色のおじちゃんが寝ていて…

片腕の指先から手の平まで炭だった。

 

 

わざわざテントを目張りして…中で炭を燃やして死んだホームレスのじいちゃん。

引き取り先は無い

 

 

 

一酸化炭素中毒の遺体は濃い赤ピンク色……

でも、あまり見た事はない

 

 

殆どの一酸化炭素中毒の死体は燃えてしまっているから

 

 

私はそんな死体を『黒い赤ちゃん』と呼んでいる。

 

 

 

読者の中には『消防関係者』の方も居るはず。

 

 

彼らはまるで新生児が泣く様な姿で死んでいる……

 

そして身体は細かく裂け

裂け目がコンビニの粗挽きソーセージの様に捲れ上がり……

 

車両火災などでは…

首がや腕、脚が無かったり

 

 

だから…京都アニメーションの犠牲者

可哀想………

可哀想過ぎて…追悼って気にもならない

 

 

 

 

私の前で寝ている爺ちゃんは

苦しんで死んだのが判る…

 

死んだ後、身体が倒れ手が七輪の中に入ってしまい……手も失ってしまった

 

 

 

私は『埋葬』された時までが『生』だと思っている…つまり

 

全ての『死ぬ』と云う行為は『生』の一部…

なのに爺ちゃんは、一部分が先に火葬されてしまった

 

 

 

 

  『手を治してよモモ………』

     とノエちゃんが視線で云う

 

 

『そうだね………』

 

 

今………紙粘土だけど

失った手を取り戻した爺ちゃんを納体袋に入れ冷蔵庫にしまう。

 

 

 

『何も無い人生だったよ』

 

『そうかい?』

『まぁコーヒーでも飲みなよ…』

 

 

『何処行くのさ?』

 

『分からない……』

 

 

 

そう……それでも元気でいなよね

        『私は生きるから……

 


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そう……爺ちゃんは死んで、私は生きている

      ただそれだけの事、それだけなんだ