出棺直前……
遺族、親族、親友達にとってクライマックスの一つ
だけど………
私達が絶対に目を離す事が出来ない時だ
それは…
棺の中に何でもかんでも入れられる一瞬だから。
今朝、私が告別インスタントコーヒーを、目の前の冷たくなったおっちゃんと楽しんでいたら協会からFAXが来た…(-_-#)
協会から何かあると、
私は…少女の様な素直な心を持っているので
毎回、会頭の頭をスイカ割りしてやりたくなる猛烈な願望が湧き上がるが…
内容を見ると…
先日、某葬儀屋が施行した棺の中に本が数冊入っていて、火葬炉中に紙の燃えカスが舞い散らかって…火葬場からクレームだそうだ。
これ……
ホントに気を付けなければならない事
炉の中では紙は粉状の灰にはならない。
黒い紙状の燃えカスになって炉の中に散乱してしまい……非常に面倒くさい事になる。
棺の中に本類を入れたがる人は…私から見て
クリスチャン、幸福の科学の信者
読者が好きな故人の遺族だ
クリスチャンは当然、聖書
読書好きな故人の遺族は何でもアリ
私達は、性能試験済みの特注品の耐熱セラミックの副葬品入れに入れて、飛び散らない様に半蒸し焼きにする。
そこに入らないモノは諦めて貰う。
他の葬儀屋は入れるのを断るのが普通。
でも…本のよりも絶対に入っているとマズいモノがカーボンファイバー製品。
火葬場によく以下の注意書きがある
カーボン製品を柩に納め火葬すると、火葬炉設備が緊急停止し火葬が中断、また同時間帯の他の火葬も停止する重大な事故となりますので絶対にお納めにならない様お願い致します。
炉中は1200度程になり…固めている樹脂が溶け、不完全燃焼で針状になった極小のカーボンファイバーが再燃焼室で粉塵爆発様になったり、フィルターが詰まったり、参列者や火葬場職員に健康被害がでる。
例えばカーボンファイバー製の釣り竿とかラケットとか……竹竿なら良い場所もある
入れるのを完全阻止し出来なければ一大イベントが発生する
入れられるタイミングは大体三つ
棺に入れた状態で自宅安置されている時。
棺が露出している様な家族葬の通夜が終わり遺族だけになった時。
この二つはドライアイス補充や遺体のメンテナンスの時に必ずチェックする。
発見しても内緒で記録だけをとり、当該葬儀の総号令に渡し、別れ花の時に取り出す。
その場で出すと諦めきれない遺族は、私達が居なくなってから隠す様に入れる場合があり、発見出来ない事があるからだ。
あとは出棺直前の告別の別れ花を入れている時。
別れ花を入れている時は案内の女の子とは別に棺の周りに人を2人以上立てて監視しなければ超危険。
まぁ……それでも当社は頑張って…できるだけ副葬品を入れる事が出来る様に努力する。
模造の副葬品では死んだ人が満足しないし、私達は馬鹿にしている様に思えるから……
例えば…木製のカメラとか…幼児の玩具ではない……書けば切りが無い
以前、軟式野球少年の葬儀では……
遺骨が着色する可能性を理解して貰った上で
グローブ
金属バット
(見えない様に空洞に多数穴を開けた)
ボール
(穴を見えない場所に多数開けた)
そして民間の火葬場に頭を下げて頼んだり……
この時に私は、タダで他人の為に頭を下げる一生分の気力を使い果たした……
あと…丸くて大きめな果物は4分の1ずつ切って入れたり…メロン、リンゴ、梨とか……
稀に千羽鶴などもあるけど、千羽の紙全部は無理…
お風呂で浮かべて遊ぶアヒルも裏に穴を開けて耐熱セラミック内へ……など……
遺族は何でも入れる…
極くまれに札束…
これは別の欲求が湧いてくる…火葬炉前の前室に入る前に、必ずセラミック副葬品箱に入れる
内緒でペットの遺骨なんてのもある…
そのうち生きてるペットも入っている事があるかも知れない……