死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

カルメだらけ葬儀『死ぬ月日さえも丁度いい』

 

『歩いたお前の人生は、悪くもなければ 良くもない お前にとって 丁度いい』

 

昨日、一昨日に書いた『カルメ焼』のばあちゃんの息子さんの火葬式(直葬)があった。

 

however-down.hatenablog.com

 

カルメ焼の効果が出たのか…

ボランティアの女の子2人と、珍しく私が訪問した。

 

このばあちゃんは生活保護の人。

息子さんの葬儀は『民生葬』なので坊主も来ない。

 

棚の中には埃まみれの遺骨箱があり、位牌もなかったので

 

浄土真宗正信偈』『真宗大谷派の念仏和讃』を、私が経読・詠読、ボランティアの女の子が唱和した。

 

多分…これもカルメ効果。

 

女の子達『えっ、うそ~何で読む?(@_@)』って顔した

 

経読が終わり出棺までかなり時間があったので、ばあちゃんが

 

『お嬢ちゃん達、カルメ焼食べっか?』…で…

 

またご馳走になる事にした。

 

私同様、彼女達もカルメ焼など知らない。

 

ばあちゃんにくっついて見てた。

 

ばあちゃんは『満面の笑み』で嬉しそう……

 

私達の分だけでなく、車で待ってた随行秘書の女の子と運転手のおじちゃん。霊柩車のおじちゃんの分も作り……

そして、棚の中で埃をかぶっている多分…旦那さんの遺骨箱にも備えた。

 

ばあちゃん…よっぽど嬉しかったみたい。

 

今まで息子さんの看病に曲がりかけた背中を押して病院に行ってたし……

少し変わった人だから近所付き合いも殆ど無いようだった。

 

火葬炉に納める時に…ばあちゃんが息子さんにぽつんと…

 

『歩いたお前の人生は、悪くもなければ 良くもない お前にとって 丁度いい』

 

って呟いた…

この2人、どんな人生だったのだろう…

 

火葬も終わり…………

 

拾骨していた時……

 

『地獄へ行こうと 極楽へ行こうと 行ったところが丁度いい』

 

『死ぬ月日さえも丁度いい』

 

また…呟いて………

 

皆の前で…初めて大声で泣いた…

 

 

そういえば…旦那さんの遺骨箱の横に

 

良寛

 

の本があったな…

 

 

一時駐車の為、道路使用許可を取って駐める旨を、近所の家に挨拶に行った時、

旦那さんが亡くなった後の、ばあちゃんと息子さんの評判はあまり良くはなかった。

 

自分でも気付かぬうちに

長い年月で変わり者になってしまったみたい

 

哀しみや苦労で自然で穏やかな心は失われていく。私も同じ。

 

更に良寛の言葉には

 

『盗人に 取り残されし 窓の月』

 

と言うのがある…

 

ばあちゃんも、亡くなった息子さんも哀しみや苦労で穏やかな心が奪われていく…

 

自宅に戻り

仏説阿弥陀経・念仏・和讃・回向に御文章の白骨章まで経読して……

 

ボランティアの女の子達が

 

『カルメ焼の作り方教えて(^^)/』

 

と、ばあちゃんを誘った

 

ばあちゃん嬉しそう………

 

哀しみも、苦労も

心の月までは奪う事は出来なかった様だ。

 

まもなく亡くなるだろうこの『ばあちゃん』

 

『奪われて失われた何か』を少しでも取り戻す事は出来るのだろうか………


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ボランティアを残し

ばあちゃんの家から移動しているとき…

 

『あっ(@_@)良寛って曹洞宗の坊主』だったと思い出した…( ̄△ ̄)

 

後悔しても意味がない


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お金も掛からないから真宗大谷派でも良いか……(^з^)-☆

 

しばらく当社では『カルメ焼』が流行りそうだ(@_@)