死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

キャンディ サクラメント

 

……キャンディが起こした奇跡………

プロテスタント爺ちゃんの危篤から帰天までの一部始終の時系列と、

     彼女のサクラメントサプライズ

 

 

 小さな介護施設の病室に

  カーテンの隙間から優しい光が差す

 

その病室で……

間もなく帰天を迎える老人の枕元、その枯木の様な手を外国人の女が握っている。

「えっ!」優しい光が金髪にエンゼルリングを作り、塵に反射してまるで光輪に見える

 

 介護士さんの一人が

   「マリア様だ」と言葉をもらした

 

 

……その1時間半程前…………

 

私は杏奈ちゃんに総務局に電話をかけさせる

「ちょい、大至急キャンディ連れて来て!」

 

まだ意識はある

じいちゃん、勝手に逝くんじゃないよ!!

天国逝くんでしょ天国!!

 

でも下顎呼吸 (かがくこきゅう) になりそうで、もうダメだと思い……

「ちょっとマメちゃん、車の中から私の司祭セット持って来い!!」

 

……………………………

これ、昨日の小さな介護施設での出来事

 

私達に生前予約をしていた御年90歳越えの身寄りの無い爺ちゃんが危篤となる

爺ちゃんはプロテスタントで、元気だった頃に施設職員と牧師の間で予め決められていた臨終直前の儀式「聖餐式(せいさんしき) 」を行う予定だったけど………

その牧師は生活の為バイト中で連絡がつかず


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     (アイルランド人従軍牧師 )f:id:however-down:20221011000023j:image

     (この牧師くらい気合い入れて宗教やれ)

 

看取りに来た医者が「間もなくだ…」と。

慌てた施設職員が私に「どうしよう…」って連絡してきたんだよね。

 

…………マメちゃんに持って来させた司祭セットから組み立てテーブルに白い布をかけて、燭台とテーブル赤ワイン、スライスした小麦餅、十字架、聖書を出し……

 

      「私がやる!!」と言う直前に…

 

「アネゴ、キャンディさん連れて来た!!」と茜ちゃん。

後ろからキャンディが息を切らせて入って来た。

やはり、洗礼を受けてない私よりも、宗派は違うけど、カトリックイエズス会で洗礼を受けたキャンディこそ相応しい

 

彼女はパンと葡萄酒で爺ちゃんの唇を湿し…

 

  コリント人への第1の手紙

     11章23-26節を朗読した

 

聖書の言葉が聞こえたのか、キャンディの顔を見て少し微笑んだ

 

介護士さんが

「あのう…この間お爺ちゃんがアベマリアと言ってたんですよね……」

Ave Maria?誰のAve Mariaですが?』

 

と聞いたけど分かるはずない……

茜ちゃんと杏奈ちゃんに『誰のでも良いからスマホAve Mariaを流して』と指示を出し

 

彼女達は

イリアム.ゴメスのAve Mariaを選曲

 

キリスト教はどの様に亡くなるのか?が重要で、亡くなるって事も、神に召されるのだからあまり悲しんでも良くないから良い選曲。

 

ほんわかとした雰囲気になった病室に、カーテンの隙間からから柔らかい光

 

杏奈ちゃんが『えっ!』って声を出す

キャンディに当たる優しい光が彼女の金髪にエンゼルリングを作り、塵に反射し浮き上がって見える。まるで光輪の様に……

 

爺ちゃんは目を見開いてキャンディを見つめやがて下顎呼吸になり……

 ………少し深く息を吸って呼吸が止まった

 

人は産声で息を吐き…息を吸って旅立つ

 

 

私は杏奈ちゃんに下でうたた寝している昇天しそうな老医師を呼んでもらい帰天の最期の診断をさせた

 

ふと周りを見ると、騒いだせいか他の病室の動ける患者さんやヘルパーさんが病室に集まっている。

 

爺ちゃん…

人生の大半は一人寂しかったけど、帰天の時はこんなに賑やかに帰って行った

 

 

キャンディはマリアの様に手を合わせ祈る

 

神よ、御子キリストは、わたしたちに約束されました。
「わたしは復活であり、いのちである。
わたしを信じる人は、死んでも生きている。
わたしを信じて生きているものは、すべて永遠に死ぬことはない」と。


いつくしみ深い神よ、この世からあなたのもとにお呼びになった者を、お約束のとおり、あなたの国に受け入れてください。


すべての罪の絆から解放されて、永遠の光のうちに迎えられ、
救われた人々とともに、
復活の栄光のうちに立ち上がることができますように。
主キリストによって。アーメン。

 

すべての慰めの源である神よ、
あなたは永遠の愛をもってわたしたちをつつみ、死の暗闇をいのちの夜明けに変えてくださいます。悲しみに沈むあなたの家族を顧みてください。


キリストの恵みに支えられて希望に生き、人生の旅路を終えて、ふたたび兄弟とまみえ、わたしたちの涙がすべてぬぐわれますように。


主キリストによって。アーメン。

 

そして新聖歌「しみも咎(とが)も」を一人歌う。

私も爺ちゃんの為、共に歌った



斎場安置所に移動中

 

茜ちゃんが

「私、人が亡くなるところ始めて見ました…キャンディさん綺麗でしたね」


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『うん、私もビックリした』

 

寝台車の中、

私の横で寝てる爺ちゃん…いい顔してるよ

 

宗派が違うカトリックだけと、爺ちゃんの最期にキャンディはサクラメント (キリストによって定められた神の恩恵にあずかる儀式) 施したんだ

 

 

……………今朝、介護施設の利用者さん達が「皆でカンパを集めたから直葬じゃなく普通の葬儀をやってあげて…」と言って職員が代金を持って来た。

 

第2ラボ安置室に昨日の牧師が鬼の形相のキャンディに呼び付けられ、怒られてる(-ω-;)

 

 介護施設の職員さんは

  キャンディの正体をまだ知らない

 

        オージーザス

 

         ……………桃子の日誌…