死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

奇跡は..私が起こすのです

 

子供の病死と言うのは、自殺や事故死と違い、これから起きる事を否定している反面、心の深遠でこれから起きる「理の事象」について受け入れる準備を無意識にしているみたい。

 

昨日の脳幹グリオーマで小さな娘さんを亡くしたお母さんは、上の娘の事もあり気力だけで立ち上がり、

旦那と二人で葬儀の段取りをキャンディ達と決めていく。

 

 

ただ……

葬儀一切が終わった後、ポッキリ折れしまう事があって、私達も目の当たりにした事もあるけど、あれは…言葉では言い表せないね

このお母さん…多分そうなるのかな

 

 

そんな予感のする時

私達は、遺族が心に無理矢理押さえ込んでいる感情を吐き出す事が出来る様、少しだけ背中を押してあげる。

 

 

昨日は偶然にも友引の前日で通夜が無く、各斎場では音楽葬のリハーサルが行われる。

私のラボ斎場では、ロリポップ常務がソロピアノで弾き語りのリハーサルが行われるので、

「今晩、この子と家族水入らずでコンサートのリハーサルを聞きませんか?お姉ちゃん(上の娘さん)も間が持てない様ですし…」と

 

ロリポップ常務には「上手くやれ、命令、よろしく」と厳命してあり………

  ……………彼女の弾き語りが始まる

 

 

先日、逝去されたおりょーさんを始め、数名の読者さんはロリポップ常務の弾き語りを聞いて貰ったけど

昨日の彼女のクリスタルボイスは、いつになく荒んた心を修復し浄化し、それぞれの心の柔らかい部分食をつかんでいく

 

 

演奏が終わり……

控え室に戻る時、他の見学していた遺族の一人が「えっ、笑ってるかも」と

 

(亡くなった)妹さん…ここに来ているのかな。楽しそうに笑ってる様に見えると秘書の女の子が不思議そうに言った

 

 

お母さん……

始めて大声で泣いた

 


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お父さんも、お母さんも、お姉ちゃんと亡くなった妹を抱き寄せ泣いた……

 

心に押さえ込んでいた感情全てを吹き出す様に、周りをはばからす大声で泣いたんだ

 

 

実は……リハーサルで暗くなった会場で、私が頬の詰め物の位置と形状を少し変え、こっそり表情を直した

 

 

もちろん遺族にとってはフェイクだけど、私達の葬儀の在り方は

  

  「より良い別れを提供する」事。

 

だから音楽も化粧(けわい)も全て“より良い別れ”の為にある。

 

 

………………今朝……

担当のキャンディの話しでは

両親ともに吹っ切れた様な感じ。遺された妹さんの為に「人生の折」を曲がったみたい

 

 

 今宵は通夜、明日の昼過ぎには

     遺体は火葬場の露へと消える

 

でも、娘さんは住む世界が変わっただけ。永遠に続く「縁起」の中で生き続ける。

 

  どうか忘れないで欲しい……

       娘さんが見せた笑顔

 

 

あの笑顔は、

娘さんが私の手を借りて起こした奇跡なのだから