死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

お年玉は1000円

 

昨日の昼過ぎ

婆ちゃんを警察に迎えに行った

 

 

朝、訪問した当社グリーフケアのボランティアの女の子達が異変に気付き

 

すぐに孫の所、警察、顧問弁護士に連絡して部屋に入ると

ちゃぶ台にうつ伏せで…死んでいた……

 

 

     御年96歳…大往生の老衰だった。

 

 


でも…前日は元気だったのに

  二人は相当なショックを受けてる…………

 

 

 

この二人のボランティアの女の子達と、婆ちゃんの付き合いは約二年半

 

 

爺ちゃんの葬儀を当社が施行し

婆ちゃんは、生まれ育った東京を離れて孫の所や老健ホームに行く事が嫌で、一人で東京暮らし。

 

なので、当社のグリーフケアボランティア二人が訪問していて、婆ちゃんは二人をとても可愛がってくれた……

 

 

 

……………この婆ちゃん

  正月になると二人にお年玉をくれる

 

折り込みチラシで作ったポチ袋の中に1000円

 



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でも、

久しぶりにお年玉を貰った女の子達は喜んで

 

 

  それを見た婆ちゃんも

    とっても喜んでいたとの事

 

 

 

昨日の朝…部屋に入った時

 

タンスの上にチラシで作った、二人の為の手作りポチ袋が二つ上がっていたそうだ

 

 

 

  戦前生まれの見事な婆ちゃんだった

 

 

 

 

………コロナ騒動で

孫夫婦四人だけ参列、他はリモートになるのだが……そうはいかない

 

 

私達のボランティアを可愛がってくれたんだ

 

 

 

………昨日の夕方は

   子供達の「餅撒き」

 

 

安置場所に向かう途中、ちょっと立ち寄った

 

 

この中には

ボランティアの二人と何度か婆ちゃんの家に遊びに行って、カルメ焼きを作ってきた子供達がいる。

 

 

婆ちゃん見えるかい

 あの子達、あんなに大きくなったよ

 

思い出したかい…?

 カルメ焼き焼いて楽しかった事。

 

 

貴女が抱いた赤ちゃんは

    既に幼稚園児だよ

 

 

 

子供達の手には、紅白のお餅の袋がいっぱい

担当の専務が、婆ちゃんと縁のあった子供達から一袋づつもらって……

 

扉の隙間から見ていた婆ちゃんに握らせた。

 

 

    婆ちゃん笑っていた…………

 

 

……………今日の早朝

東京の実家に立ち寄っていた孫夫婦が斎場に到着………

 

 

二人のボランティアに、婆ちゃんが作ったポチ袋を渡した。

 

中には1000円のお年玉……… 

 

 

婆ちゃんは

亡くなるずーっと前からお年玉を入れ、二人に渡すのを楽しみにしていた

 

 

 

今、泣き崩れて立てない二人を

お孫さんの奥さんが寄り添い、一緒に泣いてくれている。

 

 

今朝、

婆ちゃんの死を聞かされた縁のあった子供達も、婆ちゃんを囲んで泣いてる……

 

 

 

婆ちゃん!!

貴女の人生、愛が溢れ最高だったよ。

 

    だから旅立もこんなに最高なんだ

 

 

貴女は私達の社員や子供達に素晴らしい影響を与え、今も与え続けてくれている……

 

 

 

私達が女の意地にかけて

  “素晴らしい“送り出しにしてみせる

 

 

 

もはや仕事ではない

   

         これは…矜持だ

 

 

     ……………人生の価値は死後にわかる