この商売をやってると
色々と変わった夫婦と出会う
昨日の昼過ぎ
じいちゃんを病院に迎えに行ってと配車AIから指示があり…続けて総務局から詳細が送られて来た
息子夫婦からの依頼、夫婦は仕事で金沢で生活していて、老夫婦だけで東京で暮らし…
息子夫婦は今、こちらに向かっている。
東京の自宅に連れ帰り、東京で火葬して金沢へ帰るそうだ
ウチの寝台車が到着する前に私が到着。
既に清拭等は病院で清拭は済ませてくれていて、帰宅先に連れて行くだけ……
じいちゃんは、何か凄いポケ~っと呑気な顔…
こんな顔を見ると、私もホッコリする
まるで、まる子じいちゃんの『友蔵』みたいだ……
寝台車に乗せる為、随行秘書の女の子と自社のストレッチャーに載せ換えていると
一人暮らしをしている婆ちゃんが、ヘルパーさんと病院に向かっているからちょっと待てと…
1時間程待たされて…
ヘルパーさんが婆ちゃんを車いすに乗せて走ってきて…婆ちゃんは爺ちゃんを見るなり
『おい、ジジイ~死んだのか~?!』
『そうか~死んだか。良し良し!』
と………
何か全身のチカラが抜けてしまった…(o_ _)o
婆ちゃんの髪は紫色で…まるで水前寺清子みたい
ヘルパーさんは認知症だと言っていたが
認知症だからこそ
過去から慣れ親しんだ事をやりそうで
死んで喜んでいる感じでもないし
多分……
この死んだ爺ちゃんは、ガッツリ婆ちゃんの尻に惹かれていたのだろうか……
入院して
ボケた婆ちゃんの世話からも解放され…
しかも
先に死んで心の底からホッとしたのかも知れない
死亡診断書はヘルパーさんが受け取り、爺ちゃんを自宅に連れ帰った。
そして………
息子夫婦が来たら連絡を下さいと、ヘルパーさんに頼んで、
私は逃げた!!
ヘルパーさんは『へっ?』って顔したけど、この婆ちゃんの世話は御免被る
老人の世話は貴女の仕事だって……
夜……
息子夫婦が到着し、
結局、火葬だけでは私達が儲からないので、自宅で家族葬と決まった。
しかし…この婆ちゃんを
息子夫婦は金沢に連れ帰るのだろうか?
奥さんかうつ病になりそうな予感がするけど…
何はともあれ…
爺ちゃん、長い人生ご苦労さん