先程、あのお母さんの娘さんは、爽やかなウォーターブルーの王女の様に…娘さんだけの為に今年最後のネモフィラの腕飾りと
ブーケを手に持って
専務や、お母さんの同僚看護師、仲の良かった同級生達と火葬場に出発して行った
昨晩の通夜では、コロナ騒ぎの再燃もあり「立礼焼香」となったけど、
様々な会葬者全体で約440名が参列した賑やかなものとなり……集まった香典だけで全ての経費 (僧侶、戒名、納骨堂代を含む)を賄う事も出来た。
そうそう、葬儀の時なんかに露骨な「カネの話」をと言うコメントがたまに来るが、カネの話が介在しない仕事なんて必ず無責任極まるものになったり、大問題が発生するんだよ(これは後日に書く)
私は早朝から2人の復元遺体をそれぞれの担当者に引き渡し、出棺のギリギリに斎場に到着。
「お疲れさま~」
と、お疲れ気味のひかりママ達にコナコーヒを出して労う
『いや~疲れた、あんなに気を使った葬式はそう無い。何てったって同じ病棟のナースステーションの同僚会葬者でさえ、声を掛け様もない様子で、
一緒に泊まってくれた同僚看護師に「気を使いながらも普通に……って本当に頼んだんだよね」「終始自然な笑顔で接していたのは、ももちゃんの中華屋さんのお母さんだけ」
そうなんだよね
私が喪主のお母さんと同じ天涯孤独になった時、みんなよそよそしく私を避ける。まるで腫れ物に触る様に…だから
『もうどうでもいいや』なんて思ったり……
そんな時、私に普通に接してくれた中華屋さんのお母さん、下着売りの同級生、そしてひかり、ひかりママ……
本当に嬉しかったし、救われたんだよ
そんな事を話していたら
「OH~人の腫れ物も75days デ~ス
オージーザスヾ(^^ ) 」
と横に居たキャンディが教えてくれた。みんなそれで力が抜けてしまう………
……告別式が終わっても、70人程の同級生や同僚看護師が帰りを待っている。あまりこんな事は無い
私達は残っている会葬者達に簡単だけど「おにぎりと冷たく冷やした自家製糠漬け、お吸い物」を振る舞い、
今日の通夜のミニコンサートのリハーサルにやって来ていたフォークソング弾き語りの女の子に状況を説明し、ロビーでリハーサルを兼ねた演奏を頼んだ
彼女の少し太く低い歌声は、私達や会葬者達の心の深いところに深く刺さる
会葬者達に揉みくちゃに…でもご満悦になっていたアレクちゃん、マコトちゃんが私達の所に戻ってきて、ワンコ仕様のケーキを食べて、つかの間の昼寝ヾ(^^ )
今だけは時間がゆっくり過ぎ去って行く
弾き語りの女の子は顴骨法要の時、「是非弾かせてと…」サプライズで1曲弾いてくれる
さあ、後ひと頑張り
私もお昼ごはんを食べようっと!!
…………桃子の日誌…