危ない危ない……
もう少しでウチの斎場から死人を出すところどころだったよ。
昨日、総務局から「桃さんとこの遺族控室にいる爺さんの様子が変だ!」と緊急連絡がきた。
ウチの全斎場はトイレと浴場と更衣室の中以外、防犯カメラが設置してある。
これは、盗難防止対策と遺族の自殺や事故防止が目的で、総務局保安部で監視しているってワケ。
慌てて控室に行くと、故人の連れ合いの爺さんが、壁にもたれて口開けてボーッとしていて、先に気付いた当該葬儀担当の技術局長に
「爺さん!!こんな所で死なんでよ!」と、思い切り往復ビンタされながら
「ウッ、ウッ」って声を出してた。
私が直ぐに「AED」を持ってきて爺さんに貼り付け診断させると……
「電気ショックか必要」と喋るので、作動させると意識が戻り
総務局が手配した救急車に私が同乗し、病院に行った (-_-#)
故人である婆さんが、爺さんと二人だけで暮らしていた自宅で急死し、爺さんは何も用意出来なかったので、息子達が部屋の片付けと、爺さんの着替えを取りに行ってる時に起きた出来事で………
危なく「心不全」で死なれる所だった
病院で「顔が痛い……」とかワケの判らん言ってる90歳近いボケた爺さん
そりゃ痛いよね、私より手のデカい技術局長に往復ビンタされたんだから。
しかし、なんか嬉しそうに叩かれたと思うのは私だけだろうか?
変な声出した時、変な液体出してないか?
まあ、
何はともあれ死人を出さずによかったよ
…………桃子の日誌…