最近、風呂場で溺死が増えてきた
もう冬だな……
ただね、一人暮らしで
お湯の中で死んで日にちが経つとさ…
読者の皆さんも分かるでしょ?如何なるか
若い人も気を付けて…
いや、覚悟した方が良いよ、直ぐに見つけてくれる人がいないなら………
………昨日第4ラボに居たのは、そんな40代の奥さんを元に戻す為だけど
今宵は変わったギャラリーが居た
赤い振袖を着た女の子。
あの事のまま………
私だけが歳をとってる気分になるから、あまり良い気分じゃない…( -_-)o
最初は「帯を直して…」と
火葬後当日にやって着た
遺族からの希望で白装束ではなく
彼女成人式で着るはずだった
『真っ赤な振り袖』
を着付けした……
こんな事は希にある。
死に装束の帯は横下に縦に結ぶ。
しかし振袖の場合
袖の柄も綺麗に見せなければ成らない。
故に…帯は前で結び袖も綺麗に見せるが、この結び方は
花魁と同じになる
それと遺体をキツく縛ると様々な問題が出る為に、立ち上がると着崩れしやすい
なので一度解いて着付けし直た………
………それから何するわけでも無く、忘れた頃にやって来て着付けし直し…
たまにコーヒーや紅茶やお菓子を食べながら、ボソボソ話して消える
彼女の体は冷たい……
彼女は私と私の会社の黎明期からの事を知っている。
「もう人じゃ無いみたい……」
『あぁ、お湯の中で死んだからね。こんな感じだよ』
『良かったじゃない……
貴女はとりあえずベッドの上で死ねたのだから…どう?元気(ってのも変か?)』
「うん」
『このままこの世に居るの?』
「行きたくないから行かない」
「この人…如何するの?」
『こんなんなっても人だから、
人の形に戻すんだよ』
「また、音楽聞いてもいい?」
『会葬者を驚かせたり、
怖がらせるのはダメだよ………』
彼女は隣へ消える……
私はね…何時も思うんだ
生きてるって事と、
死んでるって事の本質ってなんだと……
誰も答える事は出来ないな