死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

最期の納品…身障者のお兄さん、忘れないよ…本当にありがとう

 

今朝…

骨格筋の難病で、寝たきりのテレワーク社員から最期の納品を受けた

 

 

もう文字盤などでの意思疎通も難しく……

本人と家族から退職の申し入れがあったけど

彼は総務局に在籍しているから退職では無く、何時でも帰って来れる様に無期休職。

 

 

それに病気が理由なので

当社グループでは3ヶ月間普通に給料を受け取れる……

 

 

 

彼に任せていた仕事は

音楽葬における英語歌詞の翻訳。

 

 

当社の音楽葬では英語の曲を多様する

 

近年、当社の音楽葬は式中殆どナレーションを入れない。

式場に作り上げた世界観が崩れるから…

 

 

ナレーションなどは、演奏に同期させる動画やスライドショーの映像の中にテロップとして存在し……

背面スクリーンに映る故人の思い出とピッタリな翻訳、ナレーションは式場に違う世界を再構築させる。

 

 

彼には、その為のテロップに基づく故人専用の翻訳とマッチングを任せていた

 

 

 

当社は仕事をする上で「障害が…」という言い訳は認められ無い。

 

そのかわり一般社員と給料と保障は全く同じ

 

 

でもそれをとっても喜んでくれて…

     素晴らしい仕事をしてくれた

 

 

 

彼は

そんな障害者では無い仕事の日々の中で…

初恋をした。

 

我が会社の「お袋さん」…専務だ

 

     誰が見ても判る…専務本人も

 

 

彼が翻訳した

ヒーロー 「Holding Out For a Hero」をバンドを従えて唱う専務を見た辺りからだろうか……

 

普段、内容確認や打ち合わせに来る時の、優しく包み込むものに惹かれたのか……

 

 

 

専務の存在は…

彼に素晴らしい日々を与える反面、彼と彼の母親に冷たい現実を突きつける。

 

 「この子が病気じゃ無かったら……」と

 

 

 

今朝………

私と後輩社長、専務とロリポップ常務、足の悪い副局長で完成データを受け取りに訪問。

 

 

専務は花束を持ち少し遅れてやって来た。

「千日紅」の花束。

 


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後で調べると

「不朽」
「変わらぬ愛情」の花言葉

 

 

淡々とデータの受け渡しと引き続きが行われる……

 

最後に彼と皆で写真を撮った

 

横に判っているかのように専務が座り、少しだけ離れ…私達が座る

   

 

後で専務2人だけで映る様、トリミングしやすくする為……

 

 

「何時でも帰っておいで」

………彼と両親にお礼を言って家を後にする。

 

 

 

彼は、来週入院する

多分、二度と自宅には帰って来れない

 

 

普段、ホスピスでもこんな別れがあるけど、

今回の場合、深く関わり過ぎた……

 

 

多分……来年の正月に

生きた彼の顔を見る事はない。

 

   

さよなら……

忘れないよ…永遠に

 

 

 

なんか元気の無い専務に…

 

ロリポップ常務が

「たい焼きあるよ!」とバックから出して渡す。

 

皆で歩きながら食べる。

 

 

さあ、帰ろう!!私達の居場所へ

 

 

 

            ……………ラストジョブ