死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

死体との会話…死体を愛でる女達の日常

 

 

今朝……遺体を送り出したら

        私の周りを蝶が舞った

 

蝶は様々なとき…私達の前によく姿を現す

まるで『告別』を告げる様に……

 

 

 

 

あなたはここで何をしてるのですか? 

こんなとこで一人で・・・


『・・・・』


答えてくれませんね。

ではいつまでもそこで寝ていなさい。

 

・・・・・


『どこへ行くんだね?』


南です。南には仲間がいる。


『無駄だね。もう誰も残っていないよ。』


でも私は行くんです。南へ・・・

 

これは映画『復活の日』での草刈正雄と死者(いや神々)との会話。


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私達、復元技術の4人は……

      復元中は死体と二人きり……

 

だから…いつのまにか死体と会話している

映画の様に文学的ではないけれど…

 

 

私達4人は都内某所に点在する複数の復元ラボに安置されている複数の遺体を

途中、納棺や湯潅を行いながらプロセス毎にラボを移動しながら復元していく。

 

復元にかかる時間は2日~5日間。

 

これだけ一緒に過ごすと…遺体と顔見知りになる

 

 

『よぅ!じいちゃん元気かい?』とか

『顔色が良くなって来たね!』とか

『口開けていたらボケてる様に見えるからやめなよ~』とか

    死んでいるというのに…………

 

『お腹を爆発させるんじゃぁない、我慢~』とか

『今、首を繋いであげるからちょい待って』とか……

 

 

 

そして彼らと対話していると、

            いつの間にか

 

       愛着が湧く……

 

『アンタ幾つだい?』

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『体が痛い……』

しゃーないじゃん、腕がとれてるもん。

間違って左右反対に付けちゃうから黙ってて!

 

『死にたくない……』

命数無くなったんだから仕方ないの!!黙ってそこで見てな

 

 

とか…………

誰一人…本当に死にたくて死んだのではない

自殺した人でさえ生きたかった……

 

 

 

復元が完了して……

      別れの時………

 

愛着は少しばかりの愛情に変わる……

 

 

 

 

私は………

 

別れのインスタントコーヒーを死体と二人きりで飲む

 

 

4人とも…それぞれの別れの会をやっていた

 

 

 

復元室を出る時…私は

自分の手の平を死体の手の甲にあてて

  

      『告別』を告げる

 

そして霊柩車や寝台車に乗る直前まで

極彩色の刺繍がされた棺掛けを棺に掛ける……

 

彼らの最期の晴れ舞台なのだから……

 

 

 

 

また、私はこれから別れのインスタントコーヒーを飲む……

 

これが死体を愛する私達の日常……