死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

母の日…

 

深夜…子供の死に目に会えない母親がいた

 

 

小児緩和病棟で死んで行く子供達がいる。

 

6歳の女の子が脳腫瘍で危篤

その子は個室に居るんだぞ

 

親は死ぬの待ってろってか?

 

 

オマケに何故、納体袋に入ってるんだ?

 

これ、下手すりゃ葬儀屋たらい回しか、真っ直ぐ火葬場行きになるぞ

 

 

民衆を扇動し、こんな異常な世論を作ったのは民放とマスメディア。

コイツら、私達エタにも劣る穢れた存在だ

 

 

まぁ…私が何を言っても何も変わりはしない。つまり私も無能者って事だ。

 

 

 

…………私達を紹介してくれたのは、以前、他の子供の葬儀で知り合った院内学級の先生だった。

 

 

 

私が納体袋から出して良いか?を聞くと

「敷地内ではやめて頂きたい…」と、見送りに出た看護師と医師にバツが悪そうに言われた。

 

 

まぁ…そうだろうね………だから

 

 

私は敷地から出た瞬間

路上で納体袋から出し、斎場安置室に入って死後の処置をし………

 

 

私達の監視のもと

………お母さんが抱っこしている。

 

 

私は院内学級の先生と話をした……

 

先生は

最近の芸能人の葬られ方、

風評被害の防止の為、免責に奔る病院……

 

 

納体袋に入れられたのを見て、本当は駄目なんだけど

 

 

  「あの葬儀社なら…」と

      遺族に進言してくれた

 

 

 

……………夜明け前

他の遺体の迎えに行っていた、当該葬儀担当の専務がやって来た

 

 

 

私は専務に引継ぎ

   斎場を後にする

 

 

お母さん……声なんかかけられない

でも、安祥な顔している

 

子供がやっと自分の胸に帰って来たのだから

 

 

保安担当の女の子達が

私に『大丈夫』と目で合図した……

 

 

 

………私は先日、一悶着あった爺さんを送る

 

爺ちゃんが好きだった『ハイライト』に火を付け…

一度深く吸ってから

コーヒーと一緒に爺ちゃんに供えた

 

 

「悪いね…爺ちゃんの故郷じゃなくて」

『ああ、いいよ……』

 

 

インスタントコーヒーを飲みながら

笑ってくれた

 

故郷での告別を

叶えてあげられなかった私達を許してくれた……

 

 

日が昇り

爺ちゃんは朝の露の様に消え…ロリポップ常務が迎えに来た

 

爺ちゃんが病院から握り締めていた

 

     『帰命尽十方無碍光如来

 

 

  私は、十字名号本尊を唱え…告別をした

 

 

もし浄土に行けなかったら

   また人に生まれておいで

 

        

       さよなら…爺ちゃん

 

 


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……ノエルちゃんが

 

   『モモ~来たよー』と走ってきた

 

 

 

外を見ると、私の戦車がやって来る

 

 

さあ、私も行こう

 

大切な人に

大きなカーネーションの花束をを持って……