ロリポップ常務の遺体搬送会社はツバメ達の営巣地。
今年もここで生まれたツバメ達は無事に南方へ旅立ち、
越冬するツバメ達も越冬室に移動し“ふりかけミルワーム”を沢山食べて元気いっぱいだ
ツバメの帰還率はとても低く、旅立ったツバメの殆どは命を落として戻れない。
つまりツバメの寿命は1年ってところ
だから保証局長は、渡りをする前のツバメ達へ二日おきに巣から車庫内部出入り口に“ふりかけミルワーム”を置いて食べさせて栄養と基礎体力をつけさせる
そのお蔭か一度帰還出来たツバメはその後も渡りを繰り返し、既に今年で5回目のツガイも存在している。
これ、ウチの会社にくるツバメ達が手乗りみたいになる理由なんだよ
そして……先日やっと冬の使者が帰還した。
コシアカツバメの夫婦。
少し遅くて心配してたんだ……
このコシアカツバメ達は今年で四年目、春先にどこかに渡り、冬の前に帰ってきて何故かツバメ達と越冬する
ツバメちゃん達は似てるけど、留まっている画像を見比べたら羽や目など結構個体差があって判別が出来るの
まあそれでも春先のラッシュの時は途中で分からなくなったりするけど何とか判別するんだよね
何はともあれ保証局長は安堵の顔を見せた
局長は言う…「自然には抗えない」って
ツバメ達の“本能と言う自然”には
『私達のチンケで小賢しい自己満足など自然に殆ど影響を与えない』って事なんだ
以前、車両基地に近所の幼稚園児が見学に来て「どうしてツバメは冬には居なくなるの?」って聞かれた時、
局長は保護者も数名居たからか『生きていたいから…』とわざと難しく答えたの
そもそも私達生物の理(ことわり)は「自分達の種を増やす」事で、その目的を達成する為の行為が『自分が生きる事』なんだ
親鳥が命を落としても種が増える様に毎年5羽の雛が生まれ巣立っていく。でもツバメ達の平均寿命が1年なんってのは、魚の「無効分散」となにも変わらない。
だから保証局長はツバメ達や里山のタヌキ達を支援する
もはや彼女の本能、理(ことわり)……
『だからツバメ達の巣を壊さないで』って
質問の答えに付け加えたよ…………
「窮鳥懐に入る、人倫これを哀れむ」
………今、車両基地のツバメ監視カメラが上下左右に動いていて(・・;)
パソコンを見ると保証局長が動かして見守っている
彼女こそが
菩薩行を淡々と行う修業僧なのかも知れない
理に抗って生きるんだよヾ(^^ )ツバメちゃん
…………桃子の日誌…