……通夜は宴会…
生きている者
生きていた者……そんな括りは関係ない
共に酒を酌み交わす
阿弥陀如来の立像の足元には
「“いま”を謳歌せよ、若人よ」
と書かれた大看板がドン!と置かれている
昨日は先日虹の橋のたもとへ旅立った役員の通夜を敢行した
彼は…病気が発症してから不治と云うのに酒、タバコ、女…嗜好の殆どをやめて
生前「自分の葬式は宴会がいいなあ」って母親に冗談交じりで言っていたの
親戚付き合いも殆どなく、以前の会社とも既に縁も無い
「ならば……」と僧侶の経読の後から「宴会」をやろう!!と遺族と私達で決めた。
彼はやっと病気のあらゆる呪縛から解放されたのだから。
私は葬儀の打ち合わせの後、宴会場に入ると目を赤くした故人のお父さんから
「桃子さん、まずは一献!!一緒に飲んであげて下さい……」と
私は升の中に入っているコップいっぱい注がれた日本酒を一気に飲み干す
阿弥陀如来の足元に組まれた舞台ではキャンディ達の余興が始まり、私達は亡き彼と共に笑い合う
(新川神社より)
神話時代から
暗く悲しい時にこそ明るく振る舞う……
彼と共に過ごす最後の夜だから
………桃子の日誌…