死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

だからあなたの歌は届かない

 

「うーん……何かな。」

 

昨日の昼前、バイトの女の子に紹介された同級生のヴォーカルやってるっていう女の子の面接をやったんだよね

で、ウチのヴォーカルを二人連れてきて、一例としてカラオケで歌わせてから面接の女の子に得意な曲を動画を撮りながら歌わせてみたの

 

確かに歌は上手く容姿も淡麗で悪くない。でもなんて言うのか…こう…心にグッと来るものがすっぽり欠落してるんだよ

で、「結果は後日に」と面接を終わった

 

皆で動画を見る。

これさ、歌い方とか歌う時の振りや表情など「歌う姿」が原因なんだよな

 

例えばこの画像の外国人のねーちゃんも………


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こちらの日本人のねーちゃん達、凄い上手いんだけど、向かって左側の人はさ……



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目を瞑ってスッカリ自分の世界に入り、
手のひらを下向きに上下前後に動かし、隣の女の子を見て歌ってる

この歌い方、当社で禁止しているっていうか私を含めてウチのヴォーカルは誰一人その様に歌っていない

 

これ「貴女は誰の為に歌っているの?」って事なんだ。

 

私達の音楽葬の演奏ってね……

お客さんである会葬者は、芸能人とかのコンサートと違って「演奏や歌を聞きに来たわけじゃない」って事。

好みもあるが、音楽だけなら差ほど気に入らないけど、興味の無いジャンルの歌や知らない歌が加わると、途端に演奏は雑音に変わる

なのに観客の事を考えず、まるで自己満足を追求する様な歌唱はウザいだけ

 

故に私達はリクエスト曲も極力、遺族の好みだけじゃ無く、会葬者も知ってる曲へ遺族を誘導する様に選曲し、会葬者に語りかける様に……聴衆がワクワク感をいだく様に構成するんだよ

 

昨日のヴォーカルねーちゃんを紹介したバイトちゃんも「これじゃ駄目ですよね」と諦めたくらい心理的な嫌悪が湧いてくる

今回は見送りにするか…って横に居たバイトちゃんを見るとションボリしてるんだよね

 

だから面接に来たヴォーカルの女の子に動画ファイルを送り、紹介したバイトちゃんの居る前で電話しながら今の状況を隠さず説明。

「あのスタイルが完全に改まるまで、普通のバイトの仕事。練習を重ねて直ったらヴォーカルを任せる」

これで良いなら明日の早朝からおいで………

 

…………朝の6時半

彼女は斎場に泊まってる遺族や職員と一緒にラジオ体操をやって、紹介したバイトちゃんと音楽葬告別式の準備。

マイクテストで彼女に1曲歌わせた

 

彼女は生バンドで歌うのが始めてなのと、意識して癖が出さない様にしてるけど、上手く歌おうとすると途端ににクセが出る。

でもね、彼女はあのクセを客観的に指摘され、改めて動画を見て「滑稽な歌い方」って気付いているの

まあ…1ヶ月もすればクセも修正出来そうで、結局は採用して正解だった。

 

 歌は自分を含めた

  「誰かに聞いてもらう」もの

 

新入りのバイトちゃん!「虎の穴」へようこそ……食われない為に根性を見せろ(^_^)ゞ

 

         …………桃子の日誌…