死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

生まれ変わったなら

 

緩和病棟の患者さんと生前予約などの会話をすると、稀に「生まれ変わったなら…」なんて話になる時がある

昨日訪問した緩和病棟に入院している末期がんの60歳若の奥さんとそんな話になった。

 

  「生まれ変わったなら何になりたいの?」

 

お母さんにそう聞かれたのは私と帯同していた17歳の“杏奈ちゃん”

『え~分からないですよー』

 

「貴女(私)は?」

 

私は生まれ変わる(輪廻)気など毛頭無い。何度も四苦八苦を味わうなどご免だから

故に私は大切な者達の魂と一緒に虹の橋を渡って、永遠にのほほんと暮らすんだ。

 

 

しかし、そんな事は奥さんの前では話せないから

『私はアメリカで男の子として生まれ変わって、トランプみたいなアメリカ大統領になるんですよー』と、なんか凄い受けた

 

で、聞こうか?迷ったけど、何かこう聞いて欲しそうな顔しているから

『奥さんは如何するの?』と、生まれ変わりって言葉を使わずに聞いた。

 

奥さんはへそ天になってるアレクちゃんのお腹を撫でながら

「私はお母さんになって貴女(杏奈ちゃん)みたいな子供や孫が欲しい」と答えた

(*このホスピスはペットが入れる。アレクちゃんは許可済み)

 

奥さんには子供がいない

私達は返す言葉が無かったよ

 

帰り……

1階のロビーで泣いてしまった杏奈ちゃんをアレクちゃんとノエルちゃんか宥めている

 

あの奥さんは「生まれ変わる」って事を信じる事で『虹の橋を渡る恐怖』を克服しようとしているんだ。


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     (生まれ変わりと言えばダライ・ラマ氏)

 

帰り際

私は『今度はニャンコ達連れてきますよ』と言ったけど次は無いかも知れない……

そろそろって顔しているんだよね。

 

ありがとう奥さん

また必ず人に生まれ変わって、大勢の子供達と暮らすんだ。

 

           さようなら……

 

………桃子の日誌…