神は乗り越えられない試練は与えない
「そう言って抗がん剤もあんなに我慢してたのに……」
超早朝に連れてきた故人の妹が言っていた
私は返す言葉が見付からなかった
この コリント人への第一の手紙10 : 13
「神は乗り越えられない試練は与えない」
昔のドラマ「仁」で使われた言葉で、最近なら白血病の水泳の池江 璃花子 氏が使ったね
でも…この節の試練とは「神の教えや意思に背かせようとする“悪魔の誘惑”の事」なんだ
当社唯一のカトリックのキャンディ曰く
「この聖句を一番多様しているのは日本人で、しかも意味を勘違いしている。」そうだ
全部、あのドラマの影響だな
とは言え……
万策尽き掛けた人は藁にもすがる。
亡くなった姉さんは最期の最期まで「あの言葉」を繰り返す事で生き抜く希望を見出し、乗り越えられる事を信じていたんだ、意味を勘違いしたままでね
でもそれで良いの………
コロサイ人への手紙 4 : 6 に
「あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味のきいたものであるようにしなさい。そうすれば、ひとりひとりに対する答え方がわかります」
ってのがある
塩味の効いたものとは「相手を奮い立たせる言葉」の事。
つまり仏教の「嘘も方便」と言う事。
「神は乗り越えられない試練は与えない」の勘違いも方便なんだ
ひょっとしたら乗り越えられると信じて亡くなった彼女は、自分が死んだと気付いてないかもね
だとすれば、死の恐怖(未知のものへの恐れ)を感じる事なく逝けたのだから良い事だったんだな………
……………桃子の日誌…