死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

ワシ、さつま芋は食わん!

 

キャンディ……

テーブルでなんかしょんぼり座ってる(T^T)

 

昨日は第三ラボ斎場で

私を含めた技術部の四人は「あわ飯」を食べる日

 


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幾ら豊かになっても

納棺師の私達は「エタ」なんだと、自分達の驕りを戒める日

 

 

私が第三ラボに入ると

保証局長と後輩社長がキャンディを慰めていて、理由を聞いたら

 

焼き芋を作って遺族の控え室に持って行ったら、その中の一人の遺族に「“さつま芋”なんか絶対に食わん!!」と強く言われた……

彼女は自分の作った食べ物や演奏で、遺族が笑顔になるのが大好き。

 

それで…凄いショックで落ち込んでた

 

 

でも私、ピンと来たんだよね

「そのウザイ遺族は何歳くらいの人?」

 

「80半ばのじいちゃん」

 

それな、戦争末期から戦後…学童疎開から帰って来て、毎日…食べる物が無くて朝昼晩“さつま芋”を食べさせられたから。しかもこの頃のさつま芋は水っぽくて美味しくない(o_ _)o

 

これはロリポップ常務と仲が良かった従軍看護婦のばあちゃんからも聞いた話しで、

生き残った仲間達と何とか引き上げ船で帰って来て、汽車で自宅にたどり着く。その時、母親が出してくれた“蒸したさつま芋”が美味しく……でも毎日毎日さつま芋で見るのも嫌になり、ヤミ市や農家に行って食糧を仕入れた

 

だから時々、居るんだよね……

「さつま芋とカボチャは絶対食わねえ!」って年寄りが。

 

キャンディは偶々そんな老人に当たっただけなんだよ

 

カルメ焼きを作って持っていきな。懐かしいって食べるからヾ(・ω・`)」

「それとアンタの作ってる“間宮羊羹”もね」

 


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(間宮羊羹  給糧車間宮でキャンディが作る名物羊羹。元祖間宮羊羹とは違う)

 

 

………………あわ飯…

  米が6、アワが4で食べる。

 


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使うお米は割れたお米

 

マズくはないんだけど

プチプチして鳥のご飯を食べてるみたい

 

そう言えば私と専務は貧乏で胴割れ米食べてたな。

アワのインパクトが強すぎて「割れ米」なんか頭に無かったよ。ともすれば「メンタリスト」のDaiGoの様に忘れてしまう。

 

見かねた後輩社長のご母堂が、毎月お米と様々な必要な物を送ってくれたな

思い知らされたよ、自分は貧乏だって。でもそんな自分を助けてくれる人もいて

 

 

   嬉しかったね…本当に

      本当に嬉しかったよ

 

 

そんな事を思い出したな…………

 

 

……奥からキャンディの笑い声が聞こえてくる

どうやら上手く受け入れられたみたい

 

私達も笑顔や笑い声をもらす

 

食べ物は、驕り高ぶる私達に戒めを与え出来た「縁」を良きものに変化させる

 

 

   良かったねキャンディ

      貴女の笑顔は太陽だ