死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

「セシルの嘘」大人とJKの事情 ② 誰にでもある善意の裏側

 

読者の皆さんは

悲しみよこんにちはって言う映画をご存じでしょうか?

 

昔のイギリス映画で

セシルと言う若い娘が、願望を実現する為に自分の恋人まで利用し邪魔者を陥れる

 


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    〈悲しみよこんにちは  セシル〉

 

 

そんな映画……

 

 

 

似たような事はその辺に転がっている。言うなれば大人の事情ってやつ

 

耳がもげる演奏の後、私達はメンバー全員の前で、ヴォーカルの女の子とベースの女の子だけに

 

 

「ウチの正社員として

   音楽葬をやらないか?」

 

 

と声を掛けた。

 

もちろんその場では断るけど、後で彼女達が仲違いする事を折り込んでね

 

案の定後日、ヴォーカルの女の子だけ後日に後輩社長に連絡があり、翌日、母親と一緒に面接をした

 

 

後輩社長の話しに依ると

ヴォーカルの女の子達は一応公立の進学校。彼女は母子家庭で、(ここまでは事前に知っている)

 

母親は正社員として働いていて、高校は無償で、経済的に困ってはいないけど、私立大学に入れる殆ど余裕も無い

奨学金も返済がキツ過ぎるから、進学は諦めて就職しようと思ってもコロナ騒ぎで就職先が無くて、渡りに船だった様だ

 

 

バイトでの見習い期間の終わり頃

半べそで出社した事があってワケを聞いたら

 

「ここで働く事を、散々嘘をつき騙し続けてきたのがバレたのに、みんなが心配してくれた」と。

 

 

『どんな心配してくれたの?』と

            専務が聞くと

 

 

まぁ……心配する言葉の裏にはどす黒い気持ちが蠢いていて

 

ある読者の方が言って思い出したことわざ

 

 

 地獄への道は善意で舗装されている

 

これそのもの……

 

 

人にはね…自分より幸せになる事を許せない者が大勢いるんだよ。

 

それは、貴女も彼女達も私達も同じなんだと

 

私達は彼女だけを得ようと策にハメ、

彼女はメンバー全員を出し抜こうとし、

他のメンバー全員は彼女を引きずり下ろそうとする。

 

皆、同じだ

 

 

そう専務が、ウブな女の子にも分かるように説明すると、理解してまた泣いた…………

 

 

 

…………昨日は女の子のデビューの日

チェリーブラッサムは、喪主である奥さんから死んだ旦那さんの為のリクエス

 

 

彼女は白いロングドレスに肩から漆黒のサッシュの出で立ちで、涙をこらえながら最後まで唱い切った

 

  どこまでも、どこまでも爽やかに………

 

 

 

私は司会席で仰天した

 

喪主である奥さんが立ち上がって拍手していて、横に座っていた息子さんもつられて立ち上がって拍手………

60人程の会葬者全員が立ち上がって、彼女に拍手を送った。

 

 

出棺を見送る

  素晴らしい青空

 

ふと、まだ小さい桜の木を見ると

蕾が今にも咲きそうなくらいに膨らんでいる

 

 

私達の会社にも

新しい季節にふさわしい女の子が来てくれた

 

 

       春が来る………