桃子ちゃん (私の事)……
何か仕事有りませんか?
先週、知り合いの納棺師にそう言われた
幾らコロナ騒動でも、納棺師の仕事は無くならない。
葬儀社が、自社社員に普通の納棺をやらせたとしても、専業納棺師の施行の数にはそれ程影響は無い
自社に納棺師を持っている葬儀社は多くは無いし、持たない小さな葬儀社は数多ある
人は事象に関係なくポンポン死んで
死んだら納棺師が必要になるからね
で…………
このおば様納棺師には昔世話になったから、遺族の前に出ない納棺施行を10件程発注し、任せた。
凄く良いおば様なんだけど
超アットホーム的な暖かい人過ぎ……
何か、駄々っ子の服を着せ替えをやって居る様に見えて、後で遺族って言うより親族から
「みすぼらしい」と
クレームが出るんだよね
映画「おくりびと」以来
納棺師や葬儀社のイメージは向上したのは良いけれど、何か崇高な仕事みたいな感じが付いて……
動きにシュッとかシャッとか擬音がくっついている感じ。
更に襟をピッと張ってみたり………
「能」や「狂言」の扇や長刀などのさばき方に良く似ていて、納棺師の動きは「狂言師」的な動きを連想させるものが求められる。
つまり、澱みの無い線と動きが変わる時のキレと、指先の優美さが求められるんだよね
だから死に装束には、糊を効かせてアイロンを掛け、着たときに裾の線は棺桶と平行に、袖は綺麗に広げるとか………
当社では数多くの決まり事を設けている
他と比べて高い料金を取るから尚更だ
ururundo (id:URURUNDO)さんが
とブコメをくれて
私やururundoさんが見た船頭は野村萬斎の息子がやっていて………
下の動画は、野村萬斎氏が船頭をやってる
見比べると、息子のは引き寄せた手がクイッとなり過ぎで凸感があり、一つ一つの櫓を漕ぐ動作にムラがあるけれど
親父の方はシュッっと櫓が収まり澱みも無く、遥かに舟をこいでいる感じがする
*ururundoさん是非とも確認して下さいね
これを今風に言えば
「美しい所作」と言う。
私は何度も「人は見た目で判断する」「見た目が100%」と書いた。
故に納棺師の所作が美しいと、ちゃんとした葬儀社、納棺師だと判断され、美しく無い場合、だらしない葬儀社と判断されてしまう
映画「おくりびと」以来、殆どの納棺師は無意識に時代に対応した脱皮が出来たけど、
あのおば様納棺師は出来なかったんだよね…
だから仕事が来なくなり忘れられてしまう。
でも………
まだ、活躍の場はある。
コロナ騒動以来、葬儀のあり方に変化が起き、寄り核家族化した葬儀へと変化が起きているわけで、
遺族みんなで旅支度を行うなんてのも増え、この様な“納棺の義”にはピッタリなんだ
………私がまだ一人で納棺師をやってた時、仕事を回してくれたおば様納棺師だ………
これからフレンドシップ契約を交わして、私も変化する事象に対応する。
おば様、貴女から受けた「恩」は、
しっかり返すからねヾ(・ω・`)
私達「女の矜持」にかけて