死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

ごめん、一緒に死ねばよかったね…

 

今年

子供、死に過ぎ……

 

 

 

銀座クラブから来た女の子が

 

   リストの「マゼッパ No4」

       気が触れたように弾いている

 

 

泣きながら何度も弾いている………

 

 

“マモンのベヒシュタイン”のボディが唸りを上げ…赤黒い霧に包まれている様に見える

 

 

 

彼女は「権力を持った男の腹黒さ」ではなく

誰もが持つ「人の心の深遠」を初めて垣間見た

 

 

 

亡くなった子供を迎えに病院に行くと

 

面会用のホールで

お母さんと、二人の男が揉めている。

 

すぐ横に残された子供が居るのに………

 

 

男二人は…そのまま帰って行った

多分、カネの話……

 

 

 

この一家は生活保護

葬儀は「民生葬」

 

 

アパートに遺体は入れられない、火葬式のみで合葬にすると決まる

 

 

当社、安置室でお母さんは

  「ごめん、一緒に死ねばよかったね…」

 

そう言って帰ろうとしている

 

 

私も麗(うらら)ちゃんも……

 

真の意味を一瞬で理解し、

彼女はお母さんを呼び止め様としたけれど

 

私が制止した。

 

 

「この日時に火葬です、合葬はここです。

ご遺族の到着が遅れた場合、到着を待たず、やむを得ず火葬する場合があるのでご了承下さい。」

 

 

と言質をとり、

 

弁護士の前で…書類に署名捺印を貰い、死亡診断書のコピー数枚と共に渡し……

更に映像を残し帰した

 

 

 

  あの親は火葬には来ないし

     連絡も取ろうとはしないだろう

 

 

「麗(うらら)ちゃん…

気持ちは分かるけど、火葬の時この子にまた可哀想な思いをさせたいの?

 


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今からこの子は私達の子供。

明るく、楽しく、送るのが私達の仕事だよ」

 

 

 

あの男二人は、前の旦那と今の彼氏。

 

今の生活には「この子」は邪魔で…

脳腫瘍になって死んだのは渡りに船で、

 

その証に、遺体の肋骨が一本も折れてない。

延命治療を拒否したって事

 

 

つまり、

我が子を「捨てた」のだ……

 

 

 

……………

こんな親は……たまに居る。

 

 

さあ、麗ちゃん

 

昔から、暗い時には
楽しく笑い遊ぶ事が、最良の方法と決まっているのだから………

 

 

     楽しく子供らしく送り出すよ

 

 

 

             ………………叙事詩