死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

妊娠12週未満の問題 女の矜持にかけて……

 

昨日…

 

技術局で新しく完成した2号試験炉

(焼却炉扱い使用目的も正確に届出済)の初燃焼を執り行なう

 

 

 

1号試験炉(焼却炉扱い届出済)は復元施行の時に使用した様々な物が、

遺骨の白さにどんな影響を与えるのか?を確認し、改良する為に存在している

 

高さも充分あり温度800℃以上で燃えるので、たまに…みんなで食べるお肉などを焼く事もある

 

しかし、2号炉は違う。

 

 

読者の皆さんは

妊娠周期12週目が持つ重要な意味をご存じでしょうか?

 

妊娠12週を境に、胎児が死んだ時『人』か『産業廃棄物』として扱われるかの境目。

 

妊娠12週以後なら

妊娠12週未満なら産廃となる

 

 

一応行政から……病院にも産廃業者にも「普通のゴミと分けて焼却する様に」とお達しは出ていて、別々に分けているけれど

 

結局は業者任せでどうなったのか?

は判らない(病院との産廃マニフェストのやり取りはある様だ)と云うのか現状……

 

 

 

………私達が、妊娠12週目以後の死産児の遺体を引き取る産婦人科の医者から 

 

時々、流産した妊婦から、妊娠12週未満の流産児がどうなるのか聞かれる。

 

「業者が引き取り火葬する」

 

答えるけれど、それが医療廃棄物処理業者とは言えない。

御社で何とか出来ないか?

 

と、何度も頼まれていて

 

法律上の問題、倫理や私達の心情の問題を洗い出し「業」として行わない(つまり無料)

 

焼却前に必ず宗教行為を行う事。

宗教行為はキリスト教式で行う事

 

(胎児にお経は難し過ぎる。キリスト教では幼児が王国に受け入れてもらえる様に願う祈りがある)

 

 

遺灰は返却遺灰以外、総務局祭壇に安置後、規定年数後に合葬墓に永代供養する事

 

取引のある2軒の産婦人科からしか請けない事、マニフェストのやり取りを行う事などを会議で決定、

 

行政区部上、火葬ではなく『感染性廃棄物の焼却』の言葉しか使えないが、

 

 

     女の矜持で2号炉を設置した

 

 

一昨日…

妊娠12周未満の流産児があり……

 

吸引瓶ごと病院から引き取り

 

産まれそうな妊婦も居なかったので、

昨日、2軒の産婦人科の院長を立ち合わせ、一連の流れと細部の詰めを行った

 

吸引瓶からバラバラの胎児の身体を探して、耐熱セラミックの火葬容器に人の身体に並べ……

耐熱セラミックを削った細長い十字架を胎児の身体の上に置いた

 

 

キャンディに洗礼を施させて

 

 

私がローブを着て、以下の祈りの言葉を述べた

(キャンディには難しい日本語の為)

 

全能全善の天主、

主は洗礼によりて新たに生まれたる胎児には、この世を去りたる後、

ただちに終りなき命を与え給う。

 

われらは主が今日この幼児にかく恵み給えるを信じ奉る。

 

願わくはわれらもまた終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次によりて

この世においては清き心をもつて主に仕え、天国においては幸いなる胎児らと共に、終りなく喜ぶことを得しめ給え。

 

われらの主キリストによりて。

アーメン。

 

と…………

 

焼却(火葬)は、燃焼温度800℃に達してから15分殆どで灰になる

 

灰とセラミックの十字架をロケットペンダントに入れ、バーコードとICタグを登録…

 

皆で総務局へ移動

 

新しく作った祭壇のマリア観音にロケットペンダントを掛けて…

 

私は祈る

 

清浄潔白をよみし給う全能永遠の天主、主はこの胎児をあわれみて、

かれの霊魂を天国に招き給いたれば、願わくはわれらの上にも御あわれみを垂れ給え。

主のいと尊き御受難の功徳と終生童貞なる聖マリア、および諸聖人の御取次によりて、

われら一同、諸聖人およびすべて主に選ばれたる者と共に、天国の永福を得るにいたらんことを、

聖父と聖霊と共に、永遠にしろしめし給う主イエズス・キリストによりて、こいねがい奉る。

アーメン……

 

と………

 

総務局では子供達も、中にいた社員達も、にゃんこ達も…胎児ちゃんの為に一緒に祈った

 

いつの間にか医者達も手を組み祈っていた…

 

変更留意点は無い。

「安心した」と言っている

 

 

医者が流産したお母さんに「遺灰が残っている」と連絡をとっていた

この胎児ちゃんは、お母さんの元へ帰る

 

お母さんの胸の中で…お母さんと共に成長していく

 

 

苦労はしたけど

2号炉を建造して本当に良かった

 


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私達は、これからも死産流産児と母親が、

   新たな『縁』を結ぶ手助けをしていく……

 

 

     女の意地と矜持にかけて…