嫌なニュースばっかり。
朝から腐ってる、首とれてる、頭の皮が剥けてる死体ばっかり…
流石に私もノエちゃんも、心が荒んで…
脳みそが耳と鼻の穴から垂れてきそうになる
こんな時は綺麗なモノとか……
丁度…
あめ玉コンビ(ロリポップ常務、キャンディ×2)が、音楽葬の開式前に演奏する「バーバー弦楽の為のアダージョ」を
カルテット単位に分かれて練習中で、見学に行くと言ったら
『お腹空いたから、マジで生寿司を10人前程持ってきて』と……
なので、いつものお寿司屋に頼んで、更に鯛焼きを持参して、第二復元ラボの小スタジオを見物に行ったヾ(^^ )
音楽葬……
これ、式中での演奏に何故かカルテットは、間が抜けた感じでそぐわない。
ただ、練習は分かれた方がスケジュールの調整もしやすい。
スタジオに入ると
6人とロリポップ常務が中で練習中……
ブロンドのアングロサクソンが一人居るだけで、格が2つも3つも上がって見える。
インド人の女の子より凄いかも
演奏は…まだ何となくイマイチ
キャンディのバイオリンは上手いけど…
『泣いている』だけで『腹の底からの嗚咽』になっていないからだ。
カルテット単位くらいに分けると、下手くそな人間が直ぐに判る。
«プラトーン»
血みどろの戦場で『極限の兵士の嗚咽』を表現する為に使われた曲。
死んだ者、死んで行く物ではなく『それでも生きている歩兵の苦悩』が音とパフォーマンスに現れて無ければ成らない
そして、パフォーマンスは特に重要。
ピアノなどで、歓喜の心を引き込むのは、弾き始める直前ピアニストの表情や動きだから。
リストが、弾く指や腕まで指定しているのはこの為。
バイオリンも同じ事
ウチの教え方は
弾き方の何処と何が、どう悪いのか?
パフォーマンスは何処が悪いのか?
はっきり身振り手振りで、体の角度や、心の妄想の事まで具体的に教えるけれど……
かなりの駄目出し
キャンディ×2は半ベソで
Oh Jesus……とか言ってる……
……少しまとまった演奏が出来た所で、みんなでお寿司を食べる。
キャンディ曰く、
大学や市民オーケストラの練習よりも…厳し過ぎると言っているが
キャンディに……妥協などはさせない。
私達の交響楽団は、アマチュアが会場代だけを貰うってわけでは無い。
高額な代金をとるから、遺族が想像している5倍の上手さや感動を与えるのが当たり前。
故に、下手なら直ぐにメンバーから外されるのだけれど、外れないのは有望だから
そして、貴女への練習方法は
『シゴキ』と云う日本古来の素晴らしい風習だよと…最もらしく説明する。
キャンディはイマイチ釈然としない様子だけど、笑顔でお寿司と鯛焼きを一緒にパクパク食べる。
こんな風にケロッとした明るさを持つ彼女…
彼女の明るさは皆に伝わり…清々しさを与えてくれる。こんな子は中々いない
彼女にはこれから編成予定の若い演奏者による
小規模ストリングスオーケストラのコンサートマスターになって貰う予定だ。
『泣きべそなんて さよなら!』だよ
頑張れキャンディ!!
…………platoon(小隊)