葬式……
その地域…様々な風習がある
また…迷信に支配されている人達もいる。
例えば友引の葬式告別式とか……
《宇宙戦艦ヤマトⅢより デスラーの名言》
火葬場から帰ってきたら塩で清めるとか…
ある地方では個人が大往生なら歳の分のお金を巻く、赤飯を出す…お菓子を配る…焼香盆に数十円の小銭を置く…香典返しに「ビール券」……まだまだいっぱい
でもこんなのは大した事では無い
旧家の都内に住む分家とかの葬儀にやって来る、田舎の遺族親族や知り合いの中に…
迷信を振りかざす面倒な輩がいる時
今日、告別式の遺族がそうだ…
遺族の分家で都内に住む孫娘に臨月近い妊婦さんが居て
彼女は通夜開始時間より早く来て控え室に居たが…
多分、本家の叔母ちゃん2.3人が孫娘の母親に
『何故、妊婦を連れて来るの!?』と…
普段は疎遠なのに
この様な時だけ偉そうに、難解な方言で廊下でネチネチやっていたそうだ
何でも一度文句を言わなきゃ気が済まない『私は凄い人物』と錯覚してるヤツは多い。
陰湿なパワハラだ。
担当の1部長は、すぐにお母さん弁護士を呼び、専務にも連絡。
私達と妊婦さん家族の為に『理論武装』をする
ここで専務から『1部長をアレで助けて』と私と後輩社長に連絡が来た
1部長は、お母さんが妊婦の娘に
『帰った方が良い…』と話すより早く、母親と叔母ちゃん達の前で………
大きなギラギラする…2カラット金剛石のロングペンダントを渡し、お腹に乗せさせ、クリムゾンのショールとひざ掛けを妊婦さんに掛けたそうだ。
ギラリと光るペンダントと深紅のショール、ひざ掛けは、魑魅魍魎を払う
そして会場の壁に藝大生に画かせた『双竜』の巨大な墨絵の障壁画を配置
こんな感じの…《西元祐貴氏 墨絵》
これは、子供の葬儀の時、妊婦さんが会場にいる時に……
『魑魅魍魎がお腹の赤ちゃんや、子供の遺体に取り憑こうとやって来たら…食い殺す為』
このくらい、徹底的にパフォーマンスを行わなければ『錯覚した輩』を圧倒し黙らせる事など出来ない。
結局、全ては見た目なのだ
下手すりゃ喪主に取って変わって私達に指示を出し始めるから、必ず黙らせなければ成らないし…
孫娘妊婦さんは、大好きな爺ちゃんと『さよなら』する為にやってきたのだから、必ず『良き思い出』にしてみせる
後輩社長がアレを持って到着……
私の深紅のスーツと黒いブラウス
後輩社長の明るい群青のスーツと濃紺のブラウス
深紅の上着の背中には『牛頭』
群青の上着の背中には『馬頭』の地獄の獄卒の刺繍がある
全ての視線は私達に集まる
回し焼香は私達が担当する
開式の宣言の時、司会の1部長が60人程の会葬者全員に
『今夕の通夜には、故人の事が大好きな妊婦のお孫さんが居る
古来…闇の中に「穏仁(鬼)」が住んでいた頃、妊婦さんが葬儀に来ると良くない事が起きると言われていて、
その迷信や妄想だけは今も言われ続けている。
故に『二頭の竜』を招き、牛頭馬頭(ごずめず)が皆様のお世話を担当する
よもや反対する者は居ないよな!?』
的に『優しい言い方だけど、絶対に反論出来ない』言い方で『言質』を取る。
地味好きな浄土真宗の導師は、目を丸くしていたが…あの言われ方だと反論が出来ない
説法では妊婦さんと故人の思い出、迷信、親鸞の妻帯に付いて話して貰う
結局はあの後、叔母ちゃん達は何も言うことはなかったそうだ。
それら妊婦への迷信は『妊婦を守る為』にあったモノだけど……
今の時代は無用の長物。
…これから葬儀、告別式……
イカ耳になってるノエルちゃんは、双竜から謁見を受ける。
闇の支配者は「猫又」の彼女だ
後少し……双竜に斎場を守って頂く
葬儀をより良き門出とする為に