死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

小児ホスピスにて…汚れっちまった悲しみと、降りかかる小雪 

 

子供達の春のPET/CT検診…

(3回のPET/CTの内1回を骨シンチに変更するか検討中)

 

当社グループ社員全員のお子ちゃま達は異常無し。

 

 

今は母親や家族が順番に受診していて…

寝台霊柩車の運転手おじちゃんの奥さんにステージ1の乳がんが見つかり治療中の他、

今のところ全員異常無し

 

 

局子会社の動物家族も検診結果には異常が無かった。

 

何も変わらない…

普通の生活には健康が第一だ………

 

 

 

 

昨日…ある紹介で…ある家族から

 

『葬儀は幾ら掛かるのか…?』

 

と問い合わせがあり、ロリポップ常務が説明に伺った。

 

 

若い夫婦で……

子供が小児ホスピスに入院している

 

《え?自分達の親(祖父母)がお金を出してくれないの?》

 

とか思ったけども…

さすがの彼女もそんな事は聞けない…(ぅω=`)

 

 

 

話を聞くと…

  神経芽腫でステージ4

 

 

そうですか……しか言えなかったそうだ

 

 

 

昔と違い今は

小児ガンは治療法の進歩で脳腫瘍以外、5年生存率70%以上だけど、発見が少し遅れると…既にステージ4

 

そこら辺に転移していて生存率は30%程度になってしまう。

 

 

この両親の子供もそれにあたる………

 

 

 

……当社グループ子供の検診は…

 

最初の頃は、親が「子供の死と死体と親の姿」を間近で見ている総務局の子供達くらいしか受けていなかったけど……

 

専務が自分で手書きのリーフレットを作って、当社グループの行事の時に子会社社員のお母さんに説明しながら手渡し……

 

今では殆どの子供が年に3回の検診を受ける様になった。

 

 

 

『子供に出来るだけの楽しい思い出を作ってあげたい……』

ロリポップにその両親が言っていたけども……

 

 

もの凄く可哀想だけど

はっきり言って『負け犬の…遠吠え…』だよ…

 

 

だって…

 

不可抗力で

誰の責任でも無いけど

何をどうあがいても

何を言っても…

 

宝物の子供が死んでしまうんだよ……

助けられないんだよ…

思い出が残った、作ったから良かったワケじゃあ無いでしょう…

 

 

親の力、医者や医療でも救えない

病気に負けて取られてしまう……

 

 

私も同じ、専務も同じ

親を病気に奪われ…負けて…あの両親と同じ遠ぼえを言った。

 

思い出なんか要らないから生きていて欲しかった

 

 

負け犬の遠吠えなどでは無いと言う人が当然大多数だろうが

 

  死はきれい事なんかじゃない!

 

 

もはや『理』に抗うスベは無く

抗えない事を受け入れる為に『良い思い出…』と

 

無理やり心に整理をつける事しか、私を含めた全ての人間には出来ないのだから………

 

完敗だ……

 

 

だけど、私達の会社は違う

そんな事になるのはまっぴら御免。

 

だからこそ専務はリーフレットを作り、面倒くさがる母親達を説得してまで、子供に検診を受けさせ様とするのだ

 

 

 

ウチの子供達や社員やその家族、動物達…

どんな手を使っても守り切ってみせる

 

 

結局、ロリポップ常務はその両親の子供の葬儀を受注した。


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彼女にとっても重苦しい葬儀になる…

 

 

死は…汚れっちまった悲しみ

 思い出は……降りかかる小雪 

 

          ……………なのかも知れない…