人…いや……生物はみな死ぬと個々の分子へと帰る。
死ぬ気が無い私以外は……
昨日は…
カルメ焼きの婆ちゃんとの告別…
グリーフケアの女の子達は
死んでしまった婆ちゃんと始めての面会の時…婆ちゃんを囲んで晩ごはんを食べたそうだ。
短かったけど
とーっても楽しい思い出話しをしながら…
担当の専務に依ると
『婆ちゃん送る時、みんなで婆ちゃんを囲んでカルメ焼き食べよう』と…具申して
『では、緑茶とカルメ焼きを食べながら送ろう!』となった
昼過ぎ…告別にやって来ると言っていた市の担当職員とNPO職員、ウチのグリーフケアの女の子などが参列、20人位が集まる………
…………
……昼下がり…専務の美味しいお弁当を食べ
春眠で、暁を覚える気が全くない私は……
『お茶を点てる人が足りない!』と専務の電話で起こされ…運ばれ
他の子はカルメ焼きを焼き
専務と専務の随行秘書の女の子達の4人で抹茶を点てさせられた…(o_ _)o
婆ちゃんの話しを聞くと…
商売に失敗した旦那が亡くなってから…どんどん世間から遠ざかっていき
気付いた時には…ひとりぼっち
でも息子さんが亡くなって
私達とグリーフケアの女の子が行き来するうちに、民生委員やNPOの訪問を受け入れてくれた
話しが進むうちに
ウチの音楽葬の話しになり…せっかくだから何か思い出に1曲と……
婆ちゃんの好きそうな演歌でも良かったけど、カラオケ大会でもない。
丁度、ドラマティックコロラトゥーラ の女の子が居て、参列者の年齢層も丁度よいので
ABBAの
『The Winner takes it all』
をピアノ弾き語りする事になった。
この曲は、歌詞内容が葬儀向きで無い為、あまり演奏しない。
葬儀で使うのはこれで2回目
そして彼女は劇場型の歌い手……
歌と演技力は私の1000倍で、私が野獣の叫びなら…彼女は女の心の叫び
私が唯一、歌に伴奏を合わすのが難しい子。
彼女はローランドのステージピアノをぶち壊す勢いで弾きミスタッチもお構いなく…涙を浮かべて歌う
歌い終わり…圧倒され静寂…言葉もでなかった。今までで一番悲しいABBAだった
『いや~拍手くらいしてよね~』と言われて我に帰る
勝者が全てを持ち去る……
The winner takes it all, the loser has to fall,
It's simple and it's plain, why should I complain.勝者はすべて取り去っていく 敗者は倒れるだけ
簡単なことじゃない 文句を言う余地もない
婆ちゃんの身の上にも起きた事……
せめて私達と出会って10カ月間
少しだけでも奪われたわれた幸せを取り戻せたみたい。
出棺前……
みんなで婆ちゃんの手を握り告別…
お花でいっぱいになった婆ちゃん…最後にカーネーションの花束を入れた。
『さようなら…』
もう二度と会うことは無い……
この世は『一期一会…』
それは『理』だから
さよなら………
カルメ焼き婆ちゃん!!