死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

『歩いたお前の人生は、悪くもなければ良くもない…』カルメ焼きの婆ちゃん死す

 

昨日の昼下がり…

NPO団体からある婆ちゃんの死と、生前からの願いで…その葬儀の依頼を受諾。

 

この婆ちゃんからは一年程前、息子さんの民生葬を当社が受注している

 

 

 

 

この婆ちゃんには、当社グリーフケアボランティアと見守りNPO、警察、市職員が交代で様子を見に行っていて

 

市の職員が訪問した時、応答が無く警察を呼んで見つかった

 

 

心不全…死後2日…

 

寒い日が続いて遺体の腐敗はそれ程進行していないとはいえ…酷い

 

 

この仕事をやっていると、たまに…

『変わり果てた姿』の極端な例と出くわす

 

生き物は死ぬと…溶けて無くなる

骨も風化し土へ…分子へと姿を変える…

 

 

命を持つものだけが辿る理……

この婆ちゃんも同じ…

その過程を直視する事は難しい

 

 

ただ、婆ちゃんの晩年は…

ウチの女の子達が、お菓子やぬか漬けを持って遊びに行ったり…

 

NPOや市の職員が、

話し相手になってくれた事が嬉しいとボランティア日報に書いていて、息子が先立ったとは言え…

束の間だったけど、賑やかで幸せだった様だ

 

 

この婆ちゃんが息子の葬儀の時に…

 

歩いたお前の人生は、悪くもなければ良くもない、お前にとって丁度いい

 

良寛の言葉を呟いたけど…

 

死ぬ前に…ささやかだけど

婆ちゃんにとって丁度よい幸せな時間を過ごす事が出来たのではないだろうか……

 

 

 

今回のグリーフケアの女の子達は婆ちゃんをまだ見ていない。

そのありのままの姿を見せるのは酷なので、後輩社長がある程度以上に復元した。

 

 

民生委員のおじちゃんから

当社弁護士の勧めで選任された法定後見人が裁判所の指名で相続財産管理人となり……財産管理を行う事になったとの事で…

 

家にあった旦那と息子の遺骨を引き取り、婆ちゃんと一緒に安置。

 

 

 

女の子達との対面は今日の夕方

彼女たちに良い別れをさせてあげよう……

 

  『婆ちゃん……あんたの人生

        まんざらでもないよ』

 

 

 

 

『人は幸せになるために生まれた。幸せになるのは権利ではなく義務』と齋藤一人氏が言っていた。

 

婆ちゃんは、最後の最後に細やかだけど『幸せになる』義務を果たせたのだから……


f:id:however-down:20190326014516j:image

 

棺には一人一人が焼いた『カルメ焼き』を沢山入れてあげよう。

 

私達が婆ちゃんを忘れない様に

   婆ちゃんも私達の事を忘れない様に…



 

 縁起の中で永久に生き続けられる様に…