昨日は東北震災の日……
『風化させない』と様々な活動がなされているけど『阪神淡路大震災』同様、時が過ぎて行くにつれ忘れられていく……
世の中は、それで正常なのだと私は思っている。
日曜日、NHKで『終の住処というけれど』という番組を孤独死したばあちゃんと2人で見た。
震災の復興に取り残されて…
一人で死んで行く独居老人…の番組。
同郷意識が強いあの東北で、人と全く接触せず、隣に誰が住んでいるかも判らない……
まるで東京の団地や路地裏の小さく古い戸建に住んでいる独居老人と同じだ。
様々な支援団体が援助しようとしているけれど…立ち塞がる『個人情報保護法』が壁となり、行政機関との情報連携ができない。
当社のグリーフケアのボランティア部隊の所にも
都内の支援団体や行政機関を避けていて面会出来ないが、
あの女の子達だけには心を開き、接触出来ている多数の独居老人の個人情報を聞きに来るけど……
絶対に教えない
理由は簡単
当社も『個人情報保護法』に準拠した個人情報保護マニュアルに従っているからだ。
どんなに良いコミュニティーを作っても、大体2割くらいは仲間から取り残されてしまう
独居老人はほぼ孤独死するのだけど、
つれ合いが亡くなって、子供達とも接触せず…禁じのコミュニティーにも属さない独居老人は…発見が遅れて…
私の目の前で
半分近く溶けてウジとゴキブリだらけになって寝てる…ばあちゃんと同じになってしまう。
時々…私達はボランティア部隊に支援団体のそばで、住人について個人を特定出来ない概略の独り言を話せと指示している。
建前上、独り言だから質問も請けないし、目も合わさない。
でもね……その情報を得たからと言って、面会出来るとは限らず
そもそもいつの間にかねじ曲がった性格の為、玄関は開かない。
以前、市役所の福祉課の人間と行ったら…烈火の如く怒って、完全に音信不通になってしまった。
死んだ時に発見が遅れるし
だいいち葬儀が発注されないのは痛い………
それ以来、警察が正規の手順で手続きをして、私と後輩社長、専務と顧問弁護士が許可しなければ個人情報は開示しなく無った。
番組でも個人情報保護法があるから独居老人の情報を行政機関などが絶対に開かさないと言っていたけど…
でもこれが本質的な原因ではないし、個人情報が判っても何処の誰かは判らない…
一定数は居留守で面会が出来ないからだ
でもね……今までは『何だかな……』なんて思っていたけど、
最近では『そんなのも有りなのかな…』って思っている。
個人情報保護法は独居老人の素性を隠し、ヘンな事件に巻き込まれるのを防いでいる…
かりに面会出来て…行政がグループホームを全額公費であっせんしても多分…拒んでダメな老人は必ずいるし、必ず漏れる人もいる
子供達が生きていても面倒を見ない……
信じられない事に、完全に付き合いが無くなっている独居老人もいる……
そんな面倒を見ない子育てをしたのは独居老人本人。
私の目の前で腐ってるばあちゃんもそれだ
ある一定人数はこんな感じで社会から取り残されて死んでいく。
何故そうなるのかなど誰一人判らない
蟻塚で寿命を迎えそうなアリは…生きていても死骸捨て場に捨てられる。
これが人にも当てはまるとしたら虚しいね…
何の為に産まれ生きたのだろうか…?
社会から捨てられて、それを自ら受け入れてしまえば
誰一人助ける事など出来ない…
私は…目の前のばあちゃんを見てつくづくそう思う。