昨日は当社の和菓子とデザインに対する想いを書いた
自宅に遺体を安置せず
葬儀まで当社斎場に安置し、そこで枕経を経読したり…
日中、誰か(殆どが故人の奥さんか、子息の奥さん)が一人で遺体守を行う場合などは、
夕方前に上用饅頭、練り切り、寒天菓子と毎日変えながら菓子を出すのだけれど…
その時に和菓子同様、大切なのが
『茶』と『器』と『クロス』だ。
これだけで利休様式の極小茶室を作り、徹底的に持てなす。
例えば……枕経の後、僧侶ともどもちゃぶ台に移って法話をしてもらうのだが…
その時に出すお茶は『碾茶(てん茶)』
着席直後に人肌殆どの冷まし湯で入れて冷やした冷碾茶。
次に絞り出し急須で、40度くらいの湯で入れた碾茶。
覆い香と、たっぷりのテアニンで心を落ち着かせながら法話を聞き…
…和やかになって
次に出されるものの期待感が高まった時
抹茶を立て上用饅頭を出す……
当社は上品さが損なわれる若葉色の上用饅頭は出さない。
そして食べ終わった頃に
『ほうじ茶』を出す
法話を話している部屋の中で、七輪に炭火を起こし、その場で煎茶を土鍋で煎ってお茶を入れる
テーブルマットは黒
碾茶は白の天目
抹茶は上用饅頭の白があるので黒の天目…
上用饅頭の器は黒
ほうじ茶は白の天目……とか
こうするとデザインの基本使用色数の『3色まで』を守る事が出来て
写真でいう浅い被写界深度と同じ効果が出て、より一層『茶』と『菓子』を引き立たせ、高額な上乗せが可能となる
また、ありがちな『器を愛でる』など有り得ず、テーブルマット上の小さな茶室で起きる事象を愛でるのだ
また、菓子や茶が『法話』を聴く者達の記憶に残す為の手助けが出来る
翌日は煎茶で…翌々日はほうじ茶とか……
冷めない様に3人掛かりで入れたり……
けっこう大変だけど
自分達が出来る事の全てを使って遺族をもてなす……
これが遺族との親近感を増し、様々な話しをするきっかけを生み……
遺族や会葬者に、故人が永遠に忘れられない為の方法を見つける大きなヒントを得る事が出来る
デザインと言う見た目は
記憶残す為の葬儀の第一歩だ
例え遺族が一人だけでも『良かった…』と思って貰う『もてなし』をしないのは
お金と遺族に対して不誠実。
他の仕事も同じ事
プロ失格だ………
まぁ…それを当たり前だと思っている輩(特に中国人の一部や韓国人)もいるけどね……