死体を愛する小娘社長の日記

小娘の葬儀社社長の私が、本心だけストレートに書く日記。社会 時事・各種宗教・社会哲学・古典・日々の出来事など

亡き母が結んだ娘の『縁(えにし)』

 

ちょっとだけ昔……… 

 

以前、まだ私と後輩女の子の2人で個人商店としてやってた頃に受注した葬儀。

 

深夜、病院に迎えに行くと若い可愛い女の子がいて

亡くなったのはこの娘さんのお母さん……

 

住まいが小さなアパートで玄関前が狭くて遺体が寝たまま入れない

まだ小さかった当社の仮斎場に初めて安置した

 

  『お金ないので火葬だけにして下さい…』

 

まだ学生…

お父さんは離婚して連絡取れない

近くに親戚もなくて、付き合いも殆どないし……

今さら連絡も取りづらい

お母さんの保険金も少ない

しかも…まだ就職内定を一社ももらっていない…

 

なんかちょっと前の私みたい…可哀想になって

私がお母さんの葬儀一式を出してあげる事にした。

 

都内は火葬場の関係で火葬まで死亡から数日かかる

 

彼女は奨学金が無駄になるから』と言って斎場から大学に通って夜はここに泊まっていた。

 

通夜の前日……

私の携帯に『どうしよう……お母さんが燃えた』って泣きながら電話があった。

 

状況が判らないので…

浴槽内で死んじゃって膨らんでる爺ちゃんの復元を放り投げてラボから斎場に行ってお母さんを見たら……

なんと(゜o゜;)髪の毛の半分以上が先に火葬されていた(@_@)

 

当社は夜寝る時、火災の危険性があるので、通夜で人が多く起きている時以外は、ロウソクの火を消す事をお願いしている。

 

彼女も火を消そうとしたら燭台が倒れてお母さんの頭に倒れて

髪の毛にツヤを出す為に塗ってあるワックスに引火して燃え…

 

枕元に置いてある防火用水で消していた。

 (他の葬儀屋ではこれで出火した事もある)

 

 

当社で通夜以外で通常使うロウソクは炎が美しいので和ロウソク。

消えづらいので引火したみたい……

 

『お母さん、あなたと最期の触れ合いがしたかったのかもよ。

二人で綺麗にしてあげようー(*^ー^)』

 

 

……笑いながら、泣きながら………

 

布団を新しくして

水を被ってずぶ濡れの顔と焦げてしまった髪の毛と頭皮(一部かなり焦げてた)を拭き取り

 

 

娘さんが化粧をし直し……

ウイッグを付けた。

 

 

 

なんか…この母娘の暖かで愉快な日常を見ている気がした…

 

 

彼女のお母さんは私の両親と同じ寺の納骨堂に居る

 


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そしてお母さんが結んだ縁(えにし)で……彼女は今

 

 

無慈悲にも私の好物『揚げ物』を制限する鬼将軍……

   

 

   大番頭の専務として君臨している…(°°;)

 

 

 

翌日………

 

葬儀直後、布団をクリーニングに出そうと安置した部屋に入ると……

 

『ス~~ピ~~』ってイビキに近い寝息が聞こえる

 

さっきまで専務のお母さんが寝ていた死人用の布団で後輩社長が寝てた…(-_-)zzz

 

幸せそうに寝てる彼女は…

 

      『人は慣れる生き物』

 

    って言う事を全身で体現している……

 

 

 誰がどこで寝ていても

    『そんなん関係ね~』と………(+。+)