…………総裁日誌……
昨日の昼過ぎ
以前、葬儀を受注した女性のお母さんの遺骨を、合葬墓に納骨……
49日は日曜日の夕方に前倒しで
彼女の会社の社長夫妻と社員、葬儀に関わった当社職員が参列し、厳かに式も終わる
私と専務は彼女の住む部屋へ後祭壇の片付けに行った。
彼女は母親の命も体も失い、心に穴が空いた様で疲れた顔をしてる
でも…大丈夫!!
「手を出して!」
「差し出がましいですけど……」
私と専務は、小さなペンダントを渡した
私も専務も、母親や父親の遺骨を納める納骨堂やお墓を建てるお金が無く
二人とも親の遺骨を合葬墓に納めようとしていたから
結局、専務は私と後輩社長と出会い、納骨堂に納める事が出来たけど
私は両親の遺骨を納める日になっても手放せず、自宅アパートのベッドの枕元で、暫く一緒に過ごしていたし
大切な人が、目に見えなくなったり、触れる事が出来なくなる時、寂しさと、
自分が完全に一人きりになる猛烈な不安が襲って来るんだよね
渡したペンダントには、お母さんの小さな遺骨と数本の遺髪を樹脂で封じ込めてある。
「貴女は一人きりじゃありません
何時もお母さんと一緒ですよ」
全てを無くす事は、寂しいんだよやっぱり……
彼女はペンダントを握りしめて泣いた
少し落ち着いてから
彼女は、母親のタンスの中で見つけた“へそのう”を持ってきて、母親との思い出話を始める
それと……
私達は保証局長からの手紙を渡した
手紙には
「あの時のタヌキちゃん達に赤ちゃんが産まれたみたいです。
ネコ達も寂しいそうにしているので、必ず遊びに来て下さい」
と書かれていた。
一人きりで生きて行く必要はないんだからね。貴女はもう私達の仲間、そして………
貴女は何時もお母さんと一緒だよ
………………同行二人……